台湾電力(台電)は4日早朝、建設が凍結されている台湾の第4原子力発電所(台湾北部・新北市、第4原発)の燃料棒を同発電所から運び出すことを開始した。燃料棒は既に埠頭まで運搬されており、今後米国で保管されることになっている。これで第4原発は正式に廃止されることとなった。
台電の計画では今後、第4原発を総合電力パークとして整備し、同発電所内にある1,774束の燃料棒を2020年までにすべて輸出する予定だ。
第4原発の燃料棒について台電は、輸送、解体、再利用の3つの段階で処理していく計画だ。まずは日米による国際原子燃料合弁会社、グローバル・ニュークリア・フュエル(GNF)が、第4原発からすべての燃料を輸送、解体し、別の場所で保管する。将来、適切な買い手が見つかれば、転売もできるという。4日に第4原発から運び出された燃料棒は、2008年に納品された80束で、9月にはさらに120束が輸出される。
行政院(内閣)原子能委員会(原子力委員会)によると、当初から第4原発の炉心にある核燃料は台電の所有物であったが、台電は政府の非核国家政策に合わせ、核燃料を海外の燃料製造工場に送り、処理することを決めた。原子能委員会は、経済部(日本の経済産業省に相当)と台電の決定を尊重すると強調した。
台電は、国際的な核セキュリティー作業を考慮して、関連の詳細業務について、公な説明はできないとしている。