2025/05/29

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経済

ITRIが日本のMDPCと提携、毒性化学物質災害への対応で協力へ

2018/07/17
工業技術研究院(ITRI)が16日、日本の海上防災対応機関である一般財団法人海上災害防止センター(MDPC)と「毒性化学物質による災害対応での協力了解覚書」を締結した。左からITRIグリーンエネルギー及び環境研究所の胡耀祖所長、行政院環境保護署毒物及び化学物質局の謝燕儒局長、日本のMDPCの岩男雅之理事長。(工業技術研究院サイトより)
毒性化学物質(有害化学物質)による災害への対応メカニズムを強化し、関係者の危機対応能力を高めるため、行政院環境保護署(日本の環境省に相当)と同署毒物及び化学物質局の支持を受け、財団法人工業技術研究院(ITRI、工研院)が16日、日本政府が唯一指定する海上防災対応機関である一般財団法人海上災害防止センター(Maritime Disaster Prevention Center , MDPC)と「毒性化学物質による災害対応での協力了解覚書」を締結した。双方は今後、対応技術と専門知識の上で協力し、毒性化学物質による災害への対応能力を強化、事故と災害を防ぐ能力を高める。
 
工業技術研究院は台湾の企業が毒性化学物質による災害に速やかに対応できるようにするため、1996年に台湾初の緊急対応情報センター(Emergency Response Information Center, ERIC)を設立している。緊急時の支援サービスは台湾全土に及び、近年では台湾南部・高雄市で起きた大規模なガス爆発事故、今年はじめに起きたポリ塩化ビフェニル(PCB)工場火災などで工業技術研究院が対応に参与した実績がある。工業技術研究院は今年、さらなる対応力強化に向けて日本のMDPCと交流、今後も引き続き国際的な災害対応の交流プラットフォームを推進し、国境を越えた専門のサービスネットワークを構築するなど、カギとなる作業に取り組んでいくとしている。
 
MDPCの岩男雅之理事長によれば、同センターは1976年の創設以来、海上で発生する重大な災害及び汚染事故に関する情報収集と処理、国際的な防災業務協力、災害訓練及び対応コンサルタント業務などを行ってきた。また、2014年からは陸上での災害対応も開始している。岩男理事長は、今回の協力覚書締結を通じて、毒性化学物質による災害に対する双方の経験を結び付け、関連情報と対応経験の交流プラットフォームを共同で構築できることを希望した。MDPCはまた、この提携が今後の産業化に結び付く可能性を指摘、覚書がそれぞれの地区の防災能力強化のみならず、将来の様々な事故に対処していく上で寄与することに期待を寄せた。
 
覚書の調印会場には工業技術研究院と環境保護署毒物及び化学物質局が22カ月かけて製作した、「低危険性常圧保管輸送に対応する合同事故防止能力強化モジュール」と「高危険性高圧保管輸送に対応する合同事故防止能力強化モジュール」を搭載した2台の車両が展示され、化学物質の移動訓練や災害後の環境復旧訓練など、実際の演習に用いる28種の訓練が紹介された。
 
 

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