台湾南部・屏東県は台湾における観賞魚の養殖と研究開発で7割のシェアを誇る代表的な産地。屏東県はこのほど観賞魚団体と協力し、今月10日から12日まで「第1回観賞魚普及国際交流品評会」を開催する。中華民国(台湾)のほか、5つの国・地域から数百種の観賞魚が参加する。
台湾の生きた観賞魚の海外輸出は金額ベースで年間10億台湾元(約36億日本円)を超える。さらにエサや水槽、ポンプ・フィルターや照明など周辺の産業も加えた場合、全体的な生産額は40億台湾元(約143億日本円)に達する。技術と規模の面からみて、屏東県は観賞魚、バイオ技術を用いた改良、そして研究開発をまとめることに成功しており、台湾における観賞魚の養殖業者1,000あまりのうち7割は屏東県に集中している。
今回の国際交流品評会の対象となる魚種はグッピー、ベタ、フラワーホーン・シクリッド(Flowerhorn cichlid)、キンギョ。これら4つの魚種は台湾で育種、繁殖、改良が行われている観賞魚の主力だが、近年、インドネシアやフィリピン、タイ、マレーシア、香港と中国大陸でもこれら4魚種の養殖は大変盛んで、すでに中華民国(台湾)のほか、これら5つの国・地域から100以上の養殖業者が参加を申し込んでいる。
グッピーとキンギョは人間による改良の歴史が最も長い魚種で、品種系統や育種基準、品評会での基準なども完全に確立されている。ベタは東南アジア原産。かつてはベタ同士を戦わせる賭け事に用いられたが、その後徐々に改良されて観賞魚として飼われるようになったほか、さらには極めて観賞価値の高い「ショーベタ(ショーに出品できるレベルのベタという意味)」も生み出されている。
「財を招く魚」とされるフラワーホーン・シクリッドは、様々な魚を掛け合わせて生み出されたもので、台湾ではしばしば風水をよくする魚として飼われることが広く知られている。また、近年は観賞する際の統一基準も設けられた。
すでに参加申し込みを終えている内外の業者以外に、一般の人たちも当日午前9時から11時までの間に自ら飼育する観賞魚を持ってくれば参加できる。11日と12日には会場が一般に公開される。観賞魚関連の業者が数多く出展するほか、様々な観賞魚の飼育や観賞に関する講座も開かれる。