台湾の金融監督当局である金融監督管理委員会は3日、株式の取引の効率化を図り、海外の株式市場と足並みをそろえるため、2020年3月23日に株式市場に「ザラバ方式」を導入することを明らかにした。
いわゆる「ザラバ方式」とは、すでに発注されている売り注文(または買い注文)の値段と、新たに発注された買い注文(または売り注文)の値段が合致すれば、随時売買が成立する方法を指す。1つの売買から瞬時に多数の取引情報が生まれ、より早く値段が決まり、情報の透明性も高まる。
台湾の株式市場では現在、5秒ごとに付け合せが行われる「板寄せ方式」が採用されている。しかし、スピード、効率、透明性では「ザラバ方式」が上回り、また、ニューヨーク、ロンドン、東京、香港、シンガポール、上海、深圳、韓国、タイ、マレーシアなど世界の主要な株式市場では、いずれも立ち会い時間中は「ザラバ方式」が採用されている。
金融監督管理委員会ではこうしたことを考慮した上で、台湾証券交易所(Taiwan Stock Exchange)に「ザラバ方式」導入を検討するよう打診していた。しかし、一部の証券会社は取引システムの更新に必要なコストが膨大なことから、「ザラバ方式」の導入に消極的な態度を示していた。2年にわたる話し合いの結果、金融監督管理委員会では2020年3月23日までの準備期間を設け、「ザラバ方式」を導入することを決めた。