2025/05/29

Taiwan Today

経済

頼行政院長、政府は実際の行動をもって半導体産業支援へ

2018/09/06
科技部(日本の文部科学省に類似)と国際半導体産業協会(SEMI)が共同開催する2018年「台湾半導体設備・材料見本市(SEMICON Taiwan)及びIC60 マスターフォーラム」が5日より始まった。写真は開会式で挨拶をする行政院(内閣)の頼清徳院長(=首相)。(行政院)
科技部(日本の文部科学省に類似)と国際半導体産業協会(SEMI)が共同開催する2018年「台湾半導体設備・材料見本市(SEMICON Taiwan)及びIC60 マスターフォーラム」が5日より始まった。
 
開会式に出席した行政院(内閣)の頼清徳院長(首相)は、「今年の展示規模は過去を上回り、出展企業は650社に上る。これは、韓国で開催される半導体の見本市を上回るものであり、SEMICON Taiwanはいまや、世界第2の規模を誇る半導体見本市となっている」と述べた。
 
頼院長はまた、「今年は半導体の発明から60年を迎える。これは重要な節目の年である。半導体は台湾経済の発展をけん引する重要な産業だ。IC設計、製造から半導体封止・測定(パッケージング・テスティング)まで、すべて台湾で行われている。競争力を持った企業が台湾に集まり、産業クラスターを形成している。国際市場で台湾の半導体産業の特徴と言えば『柔軟性が非常に高く、臨機応変。且つ価格も合理的』となっている。台湾の人々の努力により、台湾のウエハ製造、パッケージング、テスティングの生産高は世界1位、IC設計の生産高は世界2位となっている。台湾の半導体産業は今後もますます発展すると信じている」と述べた。
 
また、「各方面の努力により、(世界最大の半導体製造ファウンドリである)台湾積体電路製造股份有限公司(TSMC)は、回路線幅7ナノメートル、5ナノメートル、3ナノメートルなどの最先端技術を台湾に残すとしている。IC設計の華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)、封止・測定の日月光(ASE)なども、対台湾投資の増加を決めている。台湾企業や外資系企業が台湾を最も優れた、そして最も重要な半導体生産拠点にするよう、政府は支援と協力を惜しまない」とし、実際の行動をもって半導体産業を支援する決意を示した。
 
なお、科技部傘下の研究機関、財団法人国家実験研究院(NARLabs)は1日、半導体の発明60年を記念して、台湾北部・新竹市にある奈米電子研究大楼(=ナノ電子研究ビル)内に「IC60及びナノチップ常設館」を開館した。
 
集積回路(IC)は1958年9月、当時テキサス・インスツルメンツ社で働いていたジャック・キルビー氏によって発明された。この発明は世界を大きく変え、同時に台湾が世界の半導体産業の重要な拠点になるきっかけにもなった。
 
国家実験研究院と科技部は今年、半導体の発明60年を記念した「IC60」シリーズの関連イベントを実施することになっている。常設館の開館もその一環。国家実験研究院は1日に発表したニュースリリースで、「半導体産業を取り巻く科学技術はこの60年間、画期的な発展を遂げてきたが、この過程において台湾は非常に重要な役割を果たしてきた。半導体産業が現在、台湾にとって『鎮国之宝(国を支える宝)』であると呼ばれるのは、40年前に台湾で半導体産業を立ち上げようとした人々に先見の明があっただけでなく、政府の政策による主導、そして研究開発機構による優れた人材の輩出などによる功績が大きい」と説明している。
 
半導体やチップなどの技術は、一般の人々が実際に容易に触れることができない分野であり、関連の技術を一般の人々に知ってもらうのは非常に難しい。国家実験研究院では今後も、こうした技術を一般の人々により知ってもらうための活動を長期的に推進していきたいとしている。
 
 

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