2025/07/20

Taiwan Today

経済

今年1~9月の輸出額が過去最高、通年の輸出額も記録更新確実

2018/10/09
財政部は8日、9月の輸出額が296.2億米ドルで、1か月当たりとしては過去で2番目に多い数字になったと発表した。昨年の同じ月と比べると2.6%の増加。昨年同月比でのプラス成長は7か月連続となった。写真は財政部が作成した輸出額と年増率のグラフ。棒グラフは輸出額を、折れ線グラフは年増率を示している。(財政部より)
財政部(日本の財務省に相当)は8日、9月の輸出額が296.2億米ドルで、1か月当たりとしては過去で2番目に多い数字になったと発表した。昨年の同じ月と比べると2.6%の増加。昨年同月比でのプラス成長は7か月連続のこと。旧正月休みによる一時的な輸出減少を無視した場合、輸出額は23か月連続でプラス成長を続けている。今年1~9月の輸出額は2,501億米ドルで、昨年同期比8.1%の増加。同じ時期で比較すると過去最多となっている。4半期ごとに見ると、輸出は9四半期連続、輸入は8四半期連続でプラス成長が続いている。最近10年間では、プラス成長が最も長い周期と言える。
 
9月の輸出額は、比較の対象となる昨年9月の基準が高く、また今年は中秋節(旧暦8月15日。今年は新暦9月24日)休みの影響で労働日数が少ないなどマイナス要因がある中で、依然としてプラス成長となった。これは、世界的に景気が回復傾向にあること、消費需要の拡大が見込まれるシーズンに入ること、国際的な原油価格が引き続き高騰していることなどが原因。このほか、米アップル社のスマホ「iPhone」新機種の売上げが好調なことも、9月も引き続き輸出が伸びた原因とみられる。
 
輸出品目を見ると、相対的に好調なのが化学品、鉱物資源、卑金属などの伝統品目。これまで輸出の成長をけん引してきた電子部品や機械などの品目はマイナス成長に転じている。但し、減少幅は1%前後と小さい。オプトエレクトロニクス関連は市況の低迷から、輸出が7.8%減少したものの、これが最も輸出が減少した品目となっている。
 
主要な輸出先を見ると、9月は米国向けの輸出が1割近く増えた。対米輸出は24か月連続での成長となっている。一方、中国及び香港向け、日本、欧州向けの輸出はそれぞれ1.9%、3.5%、1.7%の小幅成長にとどまる。
 
また、9月のASEAN(東南アジア諸国連合)向け輸出額は48億米ドルとなった。これは昨年同月比2.1億米ドル、あるいは4.2%の減少。ASEAN向け輸出の減少は3か月連続となった。主な原因として考えられるのは、中国が半導体産業の発展に力を入れており、シンガポールの半導体産業の地位に影響を与えていること、また、これにより台湾からの電子部品の輸入が減っていることが挙げられる。さらに、フィリピンと中国が陸上油田の開発で協力し、フィリピン政府が鉱物資源の輸入の多元化を掲げ、台湾からの輸入を減らしているなども要因の一つ。いずれも構造的要因に属する。
 
第4四半期は欧米や中国市場の消費拡大が見込めるものの、比較の対象となる昨年の基準が高いこと、米中貿易戦争の影響拡大、新興市場の成長の伸び悩みなどが影響し、輸出額の年増率は2%以下にとどまる見込み。しかし、今年第1~3四半期の輸出額は、過去の同じ時期と比べると最高となり、今年通年の輸出額についても記録更新は確実と見られている。
 
なお、今年10月の労働日数は昨年10月に比べて3日多い。また、原油価格の大幅な上昇が見込まれないこと、廉価版「iPhone」と言われる新機種「iPhone XR」の需要が今後も続く見込みであることなどから、今年10月の輸出高は昨年同月比4~7%増加すると見られている。
 
 

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