金融監督管理委員会(金管会、日本の省レベルに相当)の統計によると、昨年10月末までの時点で、台湾にあるATM(現金自動預け払い機)の設置台数は29,252台で、前年の同じ時期と比べて954台(3.37%)増加した。ATM密度を台湾の総人口2,350万人で計算すると、国民803人当たり1台となることが分かった。
台湾の5大民間銀行である国泰世華銀行、中国信託、台新銀行、玉山銀行、元大金控は昨年、新たに1,250台のATMを増設した。このペースでいけば、今年上期には各銀行が設置するATM台数は3万台を突破する見通し。年間増加台数は2年連続で1,000台を上回るほか、ATM密度は800人以下に1台となる。
また、昨年10月末の時点で、台湾におけるキャッシュカードの総発行枚数は2億枚を突破し、2億285万枚に達した。これは前年の同じ時期と比べて497万枚の増加。そのうち、流通しているのは1億135万枚で、これも昨年の同じ時期と比べて315万枚増えた。台湾の総人口で計算すると、国民1人当たり約4.3枚のキャッシュカードを所有していることになる。
ATMを使った取引内容を見ると、2018年はATMによる他行利用件数が約3.25億件に達した。これは、すべての取引内容の半分以上を占める。ATMを利用した振り込みは約2.2億件で全体の約35%を占めた。残高照会は約9,072万件で、納税・公金支払いは520万件未満だった。これは、台湾におけるATM利用目的の大半が「引き出し」であることを示している。
政府機関などは近年、電子マネーやモバイル決済の普及を進めているものの、台湾では依然として現金利用の比重が高いことが伺える。これに加えて、台湾のコンビニ密度は世界2位を誇り、店内にはほとんどATMが設置されている。台湾の銀行は近年、コンビニ以外の流通経路でのATM設置にも力を入れており、台湾の銀行によるATM設置合戦はますます白熱化しそうだ。