2025/06/27

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経済

台湾発見の新種トリュフ、人工栽培計画も

2019/03/06
台湾で発見された新種の白トリュフ「深脈トリュフ」。林業試験所は現在、人工栽培技術の研究を進めており、早ければ10年後に、人工栽培した深脈トリュフが食卓に並ぶかもしれない。(林業試験所提供、中央社)
行政院農業委員会(=農委会、日本の農水省に相当)林業試験所は5日、台湾で発見された白トリュフの新種「深脈トリュフ」の発表記者会見を開催し、その研究成果について発表した。林業試験所によると、高級食材として知られる白トリュフの市場価格は1キロ当たり60万台湾元(約213万日本円)以上で、その多くは輸入に頼っている。
 
林業試験所の傅春旭副研究員は、台湾における新種のトリュフ探求計画を開始したのは、熱心な学生たちの働きかけによるものだと説明した。傅春旭副研究員によると、2014年から同計画がスタートし、次々に新種のトリュフ5種(台湾腔トリュフ、深脈トリュフ、雲杉トリュフ、小西氏石櫟トリュフ、台東トリュフ)の発見に成功したという。
 
そのうち深脈トリュフは、2017年に台湾中部・南投県渓頭地区にある油杉の根元で、10数個見つかった。深脈トリュフは白トリュフの一種で、とても良い香りを持っており、早速、人工栽培技術の開発が進められることとなった。
 
学名をTuber elevatireticulatumという深脈トリュフは、2018年10月29日に台湾の最高学術研究機関、中央研究院が発行した国際的な季刊誌「Botanical Studies」で発表された。
 
深脈トリュフの人工栽培技術の開発計画は、今後、実験室や森林地区で2年の年月をかけて完成する予定だ。
 
傅春旭副研究員は深脈トリュフの人工栽培技術の開発計画について、「自然界では胞子が発芽し菌糸が生まれるが、実験室では、トリュフ子実体を分離して、トリュフ菌糸体を生成させるため、大きなコストがかかる。そのため、細胞分裂を繰り返して菌糸を形成する必要があるが、このプロセスを繰り返すと徐々の菌糸の活性は徐々に弱まる。そこで、菌糸の活性を弱めず、繰り返し菌糸を形成させるための培養温度、光、培地の調整方法を研究することによって、人工栽培が完成する」と説明した。
 
森林地区での人工栽培技術研究については、菌糸体を樹木の根に繁殖させ、安定したトリュフ子実体の培養を目指す。通常は8年ほどの年月がかかるとされ、研究は林業試験所の森林研究拠点、六亀研究センター(台湾南部・高雄市)の多納と鳳崗の栽培所で進められる計画。早ければ10年後にはトリュフの人工栽培技術が誕生する見通しだ。

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