2025/05/18

Taiwan Today

経済

台湾のファッションブランド、コービー・ブライアントさんにスーツを提供

2019/04/08
台湾のファッションブランド、Gauteが米国の元プロバスケットボールプレイヤー、コービー・ブライアントさん(写真)にスーツを提供、台湾の優れたデザイン力が認められた。(「GQ Taiwan」提供)
台湾のファッションブランド、Gauteの努力により、米国の元プロバスケットボール(NBA)プレイヤー、コービー・ブライアント(Kobe Bryant)さんが今年初め、Gauteのスーツ(背広)姿で著名なファッション雑誌「GQ」に登場した。台湾が持つ高いデザイン力と台湾のスーツ産業が再度認められ、注目を集めている。
 
今年で7年目となるGauteは30歳の李聲浩さんと28歳の劉漢政さんが創業。劉さんによると、台湾におけるスーツ産業は伝統的な形態に偏っており、そこには経営者の高齢化と若者の参入が少ない問題がある。しかしスーツは世界では重要な服装の一つ。台湾の人たちは婚礼の場やオフィスでスーツを着ることが多いが、李さんと劉さんはスーツが一つのライフスタイルになることを目指した。スーツの可能性を広げ、それを豊かで多元的なものにすることで、スーツが着る人の生活に溶け込んでいくという気風を生み出すのである。
 
ブランドは世界にアクセスすることが重要。劉さんによると、市場を区分し、当初の理念を堅持してこそブランドを世界のファッションスタイルに近づけることが可能になり、世界の関連産業との交流を続けることも出来る。海外に進出すると同時に世界の情報を国内に持ち帰れば、台湾の同業者たちに新たな刺激を与えることになり、海外の業者を台湾に招けば、台湾の特色を世界に紹介することにもつながる。
 
李聲浩さんは、「世界の舞台に立つことをずっと目標にしている」と話す。しかしスーツは元々舶来品であり、どうすれば台湾製のスーツに外国人を引き付けられるのか。李さんは、台湾の多元的なスタイルと想像力にはその力があると考えており、「ただ海外のトレンドを台湾に移植してばかりいてはならず、自分たちは台湾の特色を常に打ち出してきた」と語る。ネットの時代、すでに国境は取り払われており、自分から外に出ていかなければ競争力を維持することは出来ないというのだ。
 
劉漢政さんによると、たまたま「GQ」のデザイナーと懇意にしていたことで、コービー・ブライアントさんに着てもらうスーツのデザインをすることになった。チームではブライアントさんのスーツの好みや普段着用しているもののスタイルを把握した上で、それに適合する要素を取り入れてデザイン、その結果、ブライアントさんも満足するものが出来上がったという。
 
当初入手したブライアントさんの体型データは過去のサイズだったが、それまでの経験やネットから集めたデータによりブライアントさんの服装に関する習慣を分析。その結果、ブライアントさんがビジネススーツ、それもストライプ柄と地味な色合いが特に好きなことが分かった。このためチームはビジネススーツを選択。さらに本来のスタイルを保ちながらチェック柄で小さな変化をつけた。
 
ブライアントさんがこのスーツを着用して撮った写真が「GQ」で公開されると、Gauteは顧客や読者から多くの問い合わせを受けた。こうした人たちはみな、このスーツはさわやかで従来型のスーツよりさらにシャープだと絶賛し、同じものを着たがったという。
 
アパレル業界で働こうという若者が増えていることはいい現象だとする李聲浩さんは、産業全体の発展を測るポイントは一つのブランドの成功ではなく、全体の規模であり、新たなクリエイターが加わることは市場にそうしたニーズがあることを意味すると歓迎した。李さんはまた、新たな方式としてメイド・トゥー・メジャー(MTM=イージーオーダー)の導入を希望している。そうしてこそ海外の方式と台湾における消費習慣を結び付けることが出来、産業に新たな発展をもたらせると考えているからだという。
 
 

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