台北国際コンピュータ見本市(COMPUTEX)があす(28日)から6月1日まで台湾北部・台北市内で開催される。COMPUTEXは、パソコンメーカー大手の宏碁(エイサー)を創設した施振栄(スタン・シー)氏が台北市電脳公会(台北市のIT業者による同業者組合)の理事長を務めていたときに立ち上げ、命名したもの。1985年以降は中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)と共同開催している。今年のCOMPUTEXの出展規模は1,685社、5,508小間となる。これは2018年と比べるとそれぞれ5.1%、9.8%の増加。
今年のCOMPUTEXは世界的なデジタルトランスフォーメーション(DX)のすう勢に対応するため、5G(第5世代移動通信システム)、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、eスポーツ、スマートリテール、ブロックチェーンを6大テーマに掲げるほか、スタートアップやイノベーションに特化した「InnoVEX」エリア、スマートIoTソリューションに特化した「SmarTEX」などを設置する。
COMPUTEXは2002年、海外バイヤーが台湾製品の調達の参考にできるよう、「ベストチョイスアワード(略称はBC Award)」を創設。政府機関、学術界、研究機関、メディアなどの関係者から構成される審査チームに委託し、エントリーした商品を機能の独自性、革新性、市場潜在力の3つの指標で評価している。
「BC Award」は今年で18回目を迎える。時代や産業のすう勢の変化、AI(人工知能)のアルゴリズム、ビッグデータ、IoT技術などの普及に応じて、バイヤーの調達品目も全方位的なソリューションへと変化しつつある。このため、ハードウエアを主な授賞対象としていた「BC Award」も、応用を重視するコンテストへと徐々に変化を遂げている。
今年の「BC Award」には合計334点がエントリーした。中でもAIと情報セキュリティ部門はエントリー商品の成長が最も早く、eスポーツ及びその部品部門はエントリー商品が最多となった。一次審査を勝ち抜いた90点が二次審査に進み、最終的には35点が選ばれた。今年の受賞商品の最大の特色は、単一のハードウエア商品よりも、全方位的なソリューションを提示するものが多いということ。これは、個人や家庭、あるいは特定の場所でのモノとインターネットの接続や、娯楽化、スマート化、安全性などの需要が大幅に向上していることを示している。