2025/05/06

Taiwan Today

経済

27日にオープンの誠品日本1号店、日台文化交流のプラットフォームに

2019/09/25
誠品生活日本橋店の照明、台湾の芸術家・書家、董陽孜氏による漢字の書が記された九宮灯。日本の俳人、松尾芭蕉の作品を書で表現していながら、その迫力は和風であり中華風、現代的であり伝統工芸の雰囲気をも醸し出している。(誠品提供、中央社)
台湾で大型書店チェーンなどを展開する誠品書店(Eslite)は27日、日本初の店舗となる「誠品生活日本橋」をオープンさせる。これは誠品にとって、中国大陸や香港などの中国語圏以外での初店舗となる。
 
「誠品生活日本橋」の空間デザインは、台湾を代表する建築家、姚仁喜(クリス・ヤオ)氏がてがけた。姚仁喜氏は、「古今折衷、新旧融合」の概念をもとに、江戸時代の特徴や現代の日本工芸の精神を調和させ、誠品が尊重する文化的な解釈を表現した。そのうち、30メートルにわたる「文学回廊」は、誠品の基礎となっている読書に対する心得を表している。
 
店内の四隅には、四季をテーマにした4色の九宮灯と呼ばれる照明が吊るされている。この照明は、台湾の芸術家・書家、董陽孜氏による漢字の書(俳人、松尾芭蕉の作品)が記されており、とても迫力ある雰囲気を作り出している。
 
「誠品生活日本橋」の責任者、潘幸兒(ルーシー・パン)営業部部長は取材に対し、「誠品生活日本橋店の設計を検討していたとき一番悩んだのが、どのようにして誠品の本来の様子を保ちながら、独特の特色を生かすかということ。つまり、誠品書店をよく知る人が日本橋店を訪れたら、ここはまさに誠品だというイメージを与えると共に、今までの店舗とは何だか違うような新風も吹き込むということ。さらに、もし台湾の誠品に来たことがない人が日本橋店に来店したら、誠品はこのように心身ともにリラックスできる居心地よい空間だと思えるようにすることも考えた」と語った。
 
「誠品生活日本橋」の開店にあたり、日本の三井不動産と100年の歴史を持つ書店チェーン、有隣堂がバックアップした。「誠品生活日本橋」は、「時間之橋、文化之流(時間ノ橋、文化ノ流)」をコンセプトに27日、グランドオープンを迎え、8つのテーマのブックフェアを開催する。そのほか、日本初となる「誠品セレクトブック」や「日台文学交流」などをテーマにしたイベントも計画している。
 
誠品生活日本橋で取り扱うブランドは100近くに上る。その内50以上は台湾のオリジナルブランドやデザインの優れた商品で、台湾文化における創作能力を充分に表している。また、新進気鋭のブランドを紹介するプラットフォーム、「誠品生活expo」を導入し、雑貨店が並ぶスペースも設けられ、台湾の様々な生活雑貨を紹介する。
 
食物販店の「誠品生活市集」では、二十四節気ごとの旬の味を紹介する。開幕初日から3日間、誠品生活市集内に併設された「COOKING STUDIO」において、エスリテホテル(誠品行旅、台湾北部・台北市)中華レストランのオーナーシェフ、林彦諄氏による料理実演イベントが開催される。
 
創業から30周年を迎える誠品は、現在までに50店舗を展開している。内訳は、台湾44店舗、香港3店舗、蘇州と深圳が各1店舗となっており、50店舗目が間もなく開幕を迎える東京だ。

ランキング

新着