フランスのグローバルネットワークオペレーター、シグフォックス(Sigfox)が20日からシンガポールのマリーナベイ・サンズで2日間にわたる年次総会「Sigfox Connect 2019」を開催。70カ国から中華民国(台湾)の企業8社を含む120社のIoT(モノのインターネット)関連業者が参加した。シグフォックスは今回、台湾のスタートアップ企業、IoT通信ネットワークを提供するUnaBiz社、そして日本のガス会社と合同で、ガスのスマートメータービジネスで協力していくことを発表した。
UnaBiz市場エコシステム部門の代表、鄒宏平氏によると、今回の提携は台湾、日本、フランスのスタートアップ企業とガス会社の計5社が手を結ぶもの。シグフォックスの無線ネットワーク技術と、台湾が持つ強大な開発能力及びサプライチェーンの生産能力を利用して、今月末には85万個の「スマートガスメーター」を提供することになった。
これらガスメーターは日本の関東地方に130万戸のユーザーを有する日本瓦斯株式会社(ニチガス)に供給する。鄒宏平氏は、日本のガス会社とIoT業者の技術を結びつけるという、IoTで「スマートガスメーター」を国際的に連結する今回のような事案は台湾のスタートアップ企業が世界にアクセスするに足る能力を持つことを象徴するものだと評価した。
UnaBizのHenri Bong社長によると、「スマートガスメーター」は人の生活をより便利にするもの。ガス会社の検針員が家にやって来て使用量などを記録、確認して行く時代はまもなく過去のものとなり、将来はIoTにつながった「スマートガスメーター」の読み取り器がガス会社の職員に取って代わる。ガス会社はガス利用者の状況を理解すると共にデータを分析して応用できるようになる。
20日の発表会には、中華民国(台湾)の駐シンガポール台北代表処から梁国新代表が招きに応じて出席したほか、日本瓦斯の和田真治社長、日本の京セラコミュニケーションシステムズ株式会社(KCCS)のLPWAソリューション事業部長である松木憲一取締役、日本のKDDIの子会社である株式会社ソラコム(SORACOM)の玉川憲社長、シグフォックスのルドビク・ル・モアン(Ludovic Le Moan)CEOらが今回のスタートアップを交えた国際的な提携の発表に立ち会った。