2025/06/28

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経済

セキュリティ技術の大会「トレンドマイクロCTF」で学生中心の台湾チームが堂々3位に

2019/11/26
セキュリティ技術の競技大会「 CTF 2019」決勝大会が日本で行われ、台湾のBalsnは学生中心のチームながら堂々の3位に。台湾におけるセキュリティ人材の優れた資質を内外に示した。写真は3位の表彰を受けるBalsnのメンバーたち(中央に立つ4人)。(中央社)
ネットワークにおける情報セキュリティソリューションを提供する「趨勢科技」(トレンドマイクロ株式会社)によるセキュリティ技術の競技大会「Trend Micro CTF 2019」の結果が24日に明らかになった。トレンドマイクロが同大会を開催する目的は、出場者が切迫した場面で必要な技術を養い、それを鍛えられるようにすることで、出題内容はフォレンジック、エクスプロイト、IoT(モノのインターネット)、リバースエンジニアリング、オープンソースインテリジェンス、モバイル、AIなどに及ぶ。
 
決勝戦では「動的スコア」(Dynamic Value)と名付けられた方式で出場者の力が試された。問題を解いたチームが1チームだった場合には500ポイントが与えられるが、ほかのチームも成功した場合は先に解答したチームからポイントが引かれる。例えば同じ問題を2つのチームが解決した場合、それぞれに374ポイントが与えられる。3チームが解決したならば、各チームの得点は322ポイントとなる。全てのチーム(13チーム)が問題を解いた場合はどのチームにも100ポイントが与えられる。
 
試合中はチームごとの順位、合計獲得ポイント、ネットワークトラフィック、攻撃目標がリアルタイムで会場のモニターに映し出され、問題を解くと効果音が鳴り響く。台湾から参加したチームBalsnはメンバー4人で構成された。メンバーは国立台湾大学(台湾北部・台北市)の修士課程の1年生と2年生、それに卒業生で平均年齢は24歳。1日目が終わった時点では3位だったが、2日目の24日には開始からたちまち韓国と中国大陸のチームに追い抜かれた。後半になってようやく問題を解決し、その後は追い上げて3位を確保した。
 
5回目となった今年の大会で優勝したのはポーランドのチームp4で、総得点は2,626ポイント。賞金を手にすると共に台北市で開かれる「HITCON CTF 2019」 決勝大会への出場権も獲得した。中国大陸のチームGASoline Betaは1,917ポイントで準優勝。3位となった台湾のBalsnは1,662ポイントだった。
 
今年の「Trend Micro CTF」はインターネット上で行われる「オンライン予選」と実際の会場での決勝大会に分けて行われた。エントリーしたのは76カ国・地域の724チーム。予選は9月7日と8日で、様々な分野の問題を出場者が解くことで点数を競う「ジェパディ(Jeopardy)」形式を採用、各チームが様々なセキュリティ問題を素早く解決する力が試された。
 
「オンライン予選」での上位10位までが11月23日と24日に日本の東京で開かれた決勝大会に駒を進めた。この10チームはロシア、カナダ、中国大陸、韓国、中華民国(台湾)、そして複数の国・地域のメンバーによるチームで、さらにエジプト、ラテンアメリカ、ヨーロッパの各エリアで優勝し、シード扱いとなっていた3チームの合計13チームが決勝大会を戦った。
 
トレンドマイクロのグローバルサポートチームの代表でアメリカ業務を担当するJonn Perezさんは今年の大会主催者の1人。Perezさんは、現在「Trend Micro CTF」に参加するチームの多くが業界関係者によるものだと指摘、台湾のBalsnのように学生中心のチームが決勝大会に進出することは容易でないと賞賛した。PerezさんはまたBalsnの決勝進出を例に、台湾におけるサイバーセキュリティ人材の水準は高いと評価、特に人材の数が相対的に少ない中、高レベルの試合で優勝を争え、様々な国際大会でしばしば決勝大会に残っていることは台湾のこれら人材の資質が優れていることの表れだと述べた。
 
 

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