台湾の貿易投資促進機関である中華民国対外貿易発展協会(TAITRA、日本での名称は台湾貿易センター)の黄志芳董事長(=会長)は1日、サウジアラビアの4大経済団体の一つであるMakkah Chamber of Commerce and Industry (MCCI)とMOUを締結した。
サウジアラビアは2030年までに石油に依存した経済から脱却した経済体制を確立することを目指す経済改革計画「ビジョン2030」を策定し、産業の多様化を図っている。TAITRAによると、MCCIのHisham Muhammad Kaaki会長は黄志芳董事長に対し、「台湾はICT産業やスマートシティ、スマートモビリティ、スマート医療などの産業で優位性を持っていると聞く。今回のMOU締結を通して台湾と長期的な交流を展開したい」と希望を伝えたほか、2020年上半期に訪問団を率いて台湾を訪れる考えを示したという。
Hisham Muhammad Kaaki会長は「イスラム教最大の聖地、サウジアラビア西部のメッカには、毎年約900万人が訪れる。サウジアラビアは2030年までに、これを3,000万人に増やしたい考え。これにより、メッカの建設が進み、聖地巡礼のためにやって来る人々により巨大なビジネスチャンスがもたらされるだろう。宗教関連のグッズから各種ICT製品に至るまで、大きな消費が生まれることになる。このためMCCIは、より質の高いサプライヤーを探す必要がある。これが台湾とサウジアラビアの産業協力を促した」と説明した。
サウジアラビアは2016年、経済改革計画「ビジョン2030」を発表した。これは、サウジアラビアの公的投資基金(Public Investment Fund:PIF)の改造から、イスラム教徒の聖地巡礼の増加、サウジアラビア国民のスポーツ参与の奨励などを含む。