2025/05/12

Taiwan Today

経済

台湾産パイナップルの豪向け輸出が解禁、5年かけて検疫の壁乗り越える

2020/03/03
5年にわたる協議の末、オーストラリアの農業省が2日、台湾で生産された新鮮なパイナップルの輸入解禁を正式に発表した。写真は一昨年、オーストラリアの専門家たちが台湾で生産地などの調査を行った時のもの。(行政院農業委員会サイトより)
行政院農業委員会(日本の農水省に相当)が2日のプレスリリースで、台湾産パイナップルのオーストラリア向け輸出が可能になったと明らかにした。5年にわたる協議の末、オーストラリアの農業省が同日、台湾で生産された新鮮なパイナップルの輸入解禁を正式に発表した。関連の検疫規定も公式ウェブサイトで発表され、輸入解禁措置は即日実施となった。
 
オーストラリアの農業省が公表した台湾産生鮮パイナップル(生果実)の輸入に関する検疫条件によると、輸入を認める台湾産生鮮パイナップルは、登記されて認可を受け、源流管理がなされている生産園地及び梱包施設で生産・梱包されたもので、輸出前には冠芽を取り除くほか、臭化メチルによる2時間のくん蒸処理でパイナップルコナカイガラムシ、パパイヤコナカイガラムシ、マデイラコナカイガラムシ、ニセミカンコナカイガラムシ、ビーズレイコナカイガラムシ、Frankliniella schultzei(アザミウマの一種)、ネギアザミウマなどの病害虫を駆除することが必要。生産園地と梱包施設は行政院農業委員会農糧署に登録されていなければならず、くん蒸処理に使用する設備は同委員会動植物防疫検疫局による認可を受ける必要がある。
 
台湾では2015年4月9日より、生鮮パイナップルに関する病害虫、栽培地の気候、収穫後の処理の流れ、及び輸出実績などの資料をまとめ、オーストラリア側に輸入解禁に向けた調査を要請。2017年8月にはオーストラリアの専門家を台湾に招き、冠芽を取り除いたパイナップルの生果実に対するリスク評価のための生産地調査を受けた。そして2019年8月14日、オーストラリアはリスク評価を完了すると共に、台湾に対してオーストラリア向けパイナップルのくん蒸処理及び源流管理などに関する資料の追加を要求していた。
 
台湾が輸出する果物のうちパイナップルは規模が最大。2019年の実績では輸出量5万トン以上、金額ベースで6,000万米ドル以上となっている。また、台湾のパイナップルは品種の面でも多種多様。農家は異なる生産地区、品種、生産時期の調節技術などを組み合わせて1年通しての生産を可能にしている。こうした努力により、台湾におけるパイナップルの年間生産量は43万トンを超えるまでになった。
 
台湾の生鮮パイナップルはこれまでに、カナダ、日本、韓国、中国大陸、香港、マレーシア、マカオ、ブルネイ、アラブ首長国連邦、バーレーン、インドネシア、パラオ、グアム、マーシャル諸島、オランダ、ロシアなどの国と地域への輸出が可能になっていた。
 
 

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