きょう(5月20日)は世界計量記念日である。1875年5月20日、仏パリで17か国が参加して「メートル条約(Metre Convention)」を締結したことを記念したものだ。「メートル条約」とは、長さの単位であるメートルと質量の単位であるキログラムを基準とする十進法の単位系「メートル法」の使用に各国が同意して国際間の貿易障壁をなくそうというもので、これによって世界の計量の方向性と枠組みが定められた。
それから140年以上、「メートル条約」は世界に明確且つ遡及可能(トレーサブル)な計量の枠組みを確立した。そして現在、それは世界的な計量標準として広く使用されている。さらには、全く関係のない領域であるバイオメディカルやナノテクノロジーですらその重要性を感じるようになっている。この大きな意義を持つ日を記念するため、1999年に開かれた第21回国際度量衡総会(CGPM)は、毎年5月20日を「世界計量記念日」とすることを決めた。
フランスに本部を置く国際度量衡局(BIPM)は今年のテーマを「Measurement for global trade(世界貿易のための計量)」と定めている。これは、計量技術が世界経済や貿易の推進にとって重要な役割を果たすことや、計量標準が世界の経済・貿易協力の重要な基礎の一つであることを浮き彫りにするものである。
経済部標準検験局(Bureau of Standards, Metrology and Inspection)は、海外の計量標準に関する最新の動向と足並みをそろえ、計量に対する完全な主権を維持し、そして世界の経済・貿易・技術交流上の台湾の地位を高めるため、昨年の国際度量衡総会(CGPM)で審議・採択された国際単位系(SI単位)の定義改定というエポックメイキングな変革に合わせ、「新質量」、「新温度」、「新電流」、「新物質量」という新たな計量標準を世界でもいち早く導入し、システム構築を完成させた。国際貿易、とりわけハイテク産業のサプライチェーンにおける台湾の重要性を高めた。4つのSI単位の新標準導入による効果は以下のとおり。
新質量
新標準によって高解像度、高精度の質量測量技術を確立した。これは半導体のナノレベル最先端製造過程における微小粒子や不純物の測量機器の校正など、先端技術産業に必要な参考標準を提供している。
新温度
熱力学温度に合致した温度の新標準定義を確立した。国家度量衡標準実験室(NML)の高温標準を拡充し、測定の不確かさを減らし、より化学工学、金属工学、材料産業などの需要に合致している。
新電流
まず大電流のホイートストンブリッジ・システムの第三者認証を完成させると同時に、新標準システムを使ったサービスの提供を開始した。これは、台湾の電流標準の正確性と測量範囲を先進諸国と一致させるもので、産業の需要により合致している。
新物質量
同位体存在比による測量システムを確立し、物質のモル質量を正確に測量できるようにした。標準物質の濃度計量のトレーサビリティの不確定性を減らし、半導体産業の精密電子級材料の純度分析やエネルギー供給産業の公平な取り引きに協力している。