交通部(日本の国土交通省に類似)公路総局は5日より、決済の多様化に対応するため、QRコードと呼ばれる2次元コードを使った決済を導入したバスの運行を始めた。まずは、タイプの異なる5路線で試験導入する。5路線の内訳は、台湾北部の台北市と基隆市を結ぶ長距離バス(2088番、1800番)、台湾南部・墾丁を走る中距離バス(9189番)、台湾中部・台中市の谷関や梨山など観光エリアを走る路線バス(865番、866番)となる。導入するQRコード決済は悠遊付(Easy wallet)、LINE PAY MONEY、ICASH PAYの3つの電子決済システム業者のもの。スマートフォンなどを使って簡単に支払いができるようになる。
交通部の林佳龍部長(=大臣)は5日に開催した記者会見で、「今回のバスでのQRコード決済の先行導入に当たり、交通部はまずQRコード決済の関連設備の標準化を行い、モバイル決済を鉄道からバスにまで拡大した。将来、公共交通機関における電子決済システムの使用方法はより多様化し、地域をまたいだモビリティサービスの利用やチャージへの応用が可能になる」と語った。
また、公路総局の許鉦漳局長は「5路線で先行して試験導入したあと、使用状況が安定・正常であれば、業者への補助措置を講じ、すべての路線のバスに設置してあるICカード読み取り機を取り換え、QRコード決済に対応したものに順次取り換える。そうすることで公共交通機関の乗車システムの統一化を図り、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の付加価値を上げる。また、交通機関での支払いがすべてスマートフォン一つで完結することになる。なお、当初は 3つの業者の電子決済システムを導入するが、将来的にはその他の業者の参加も調整・奨励する。これにより市民に、より多様で便利な支払い方法を提供し、公共交通機関の全体的な発展を促していきたい」と述べた。
今回の試験導入機関は今年6月末までとなっている。公路総局は、より多くの市民がQRコード決済を利用するよう、この期間は5つの路線すべてでQRコード決済利用者に対する割引サービスを提供する。そのうち2088番と1800番は片道運賃を25台湾元(約92日本円)、9189番は31台湾元(約114日本円)とする。865番と866番は運賃半額とする。