2025/05/13

Taiwan Today

経済

NCC、高速通信規格「5G」時代に向けたインフラ整備急ぐ

2021/01/19
電信、通信、放送事業を監督する国家通訊伝播委員会(以下、NCC)は、高速通信規格「5G」時代に向けたインフラ整備を加速させている。「5年間に1万6,000か所以上の基地局を建設する」としていた目標は、「前瞻基礎建設計画」に基づく予算が投入されたことで、目標達成までの期間が「2年半」に短縮され、基地局も「3万9,000か所以上」建設されることになった。(外交部)
電信、通信、放送事業を監督する国家通訊伝播委員会(以下、NCC)によると、次世代の高速通信規格である5G(第5世代移動通信システム)の進捗状況は、いまや国際間競争の議題の一つとなっている。そのインフラ建設は台湾のデジタル競争力とグローバル・サプライチェーン再構築を左右し、地域の安全保障戦略にとっても大きな意義を持つ。NCCは現在、蔡英文総統が重点産業として掲げる「六大核心戦略産業」に基づき、「前瞻基礎建設計画(=将来を見据えたインフラ建設計画)」の第三期予算を活用し、台湾の5Gインフラ整備を加速させている。
 
NCCによると、従来台湾の電信業者は「5年間に1万6,000か所以上の基地局を建設する」ことを目標に掲げていた。しかし、「前瞻基礎建設計画」に基づく予算が投入されたことで、目標達成までの期間が「2年半」に短縮された。また、基地局も「3万9,000か所以上」建設されることになった。これは人口カバー率を大幅に引き上げることになり、「5年間で人口カバー率50%」としていた目標も、85%に引き上げられることになった。官民一体となった取り組みは、台湾のデジタル競争力を向上させている。
 
NCCが2015年より取り組むブロードバンドのためのインフラ整備は以下の通りである。

一、2015年から2017年は4G(第4世代移動通信システム)の導入前期として「加速行動寛頻服務及産業発展方案」と名付けた政策を掲げ、民間業者による関連のインフラ整備を奨励。
二、2017年以降は政府が実施する「数位国家・創新経済発展方案2017-2025(デジタル国家・イノベーション経済発展計画、略称「DIGI+2025」)」に基づき、「前瞻基礎建設計画」(第一期から第二期)の「デジタル建設」を推進。
三、2019年、行政院(=内閣)は4カ年計画「台湾5Gアクションプラン」を閣議決定。NCCは、5Gの戦略的ニーズがあるエリアや公共機関等で業者が5G関連のインフラ整備を行うことを支援。通信エリアの拡大と強化を迅速に進めている。

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NCCによると、5Gの応用によってサービスの付加価値を高めることが、現在デジタル技術によって国力増大を目指す国々にとっての重点となっている。世界各国がこぞって資金を投じ、関連の研究・開発や応用を奨励している。こうした中でNCCは、国の掲げる目標に合わせ、業者が公共交通機関の要所や重要な産業発展エリアで5G関連のインフラ整備を加速するよう促している。これによって通信サービスの品質を高め、付加価値のある応用サービスの発展の基礎を固め、ひいては台湾が5G分野で他国をリードするチャンスをつかみとれるようサポートしている。
 
このほかNCCは、5G基地局を建設する業者を助成する「補助5G網路建設計画」を通して、業者が国産設備を採用することを奨励している。「前瞻基礎建設計画」第三期後は、5G業者が新設する設備の国産ブランド比率が40%に達することが目標だ。また、5G関連の国産ブランドが自主的に情報セキュリティ技術の「ナショナルチーム」を結成することで、海外の大手メーカーとサプライチェーンを構築し、国際市場の産業発展とデジタル・トランスフォーメーションによってもたらされる挑戦に対応できるようにしたいと考えている。
 

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