2025/05/22

Taiwan Today

経済

天然由来石鹸でコロナ禍の手洗いも手荒れ知らず

2021/01/22
花蓮県政府の指導のもとに製造された「印象花蓮」ブランドの手作り石鹸。20日にオープンした手作り石鹸専門店には、花蓮特産品を原料とした色とりどりの石鹸が並ぶ。(花蓮県全球資訊服務網ニュースサイトより)

世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、中央感染症指揮センター( 新型コロナウイルス対策本部)は、マスクの着用のほか、感染リスクを下げるために手洗いを徹底するよう呼び掛けている。しかし、手洗いの回数が増えると、乾燥による手荒れが心配だ。そのような悩みを解決するため、台湾最南端・屏東県満州郷や台湾東部・花蓮県では天然由来の手作り石鹸を製造している。これらの石鹸で市民への手洗いを励行し、感染防止に一役買うよう期待が持たれる。

満州郷は、有機黒豆を使った手作り石鹸を開発した。満州郷ではかねてから、黒豆の有機栽培を推進しており、近年では有機黒豆を使った醤油、ティーバッグ、酢、酒などの食品のほか、パックや乳液、ボディソープなどの美容グッズの商品化にも成功した。さらに従来の製品の改良を進め、新型コロナウイルスの再燃に見舞われ、手洗いの重要性が見直されている中、満州郷特産の黒豆と紅龍果(果肉が赤いドラゴンフルーツ)を使った限定手作り石鹸が誕生した。

満州郷農会(農業協同組合に相当)の陳清木総幹事(執行役員)は、黒豆石鹸を開発した経緯について、「中央感染症指揮センターは、去年から市民へ手洗いを徹底するよう再三呼び掛けている。しかし手洗いの際に使う石鹸が、どのような成分でどこで製造したものか不明瞭なのは心配だ。そこで、満州郷農会は、専門的な技術や知識があるメーカーの協力を得て、満州郷産の有機黒豆と紅龍果をベースに、高級オリーブオイルとパーム油などの成分を配合した石鹸を開発した。成分も製造場所もはっきりした石鹸を使うことで、市民の手洗いを励行し、感染防止に一役買いたい」と説明した。

陳清木総幹事によると、新型コロナウイルス感染症が流行してから一年、病気に負けない健康づくりの風潮が高まり、黒豆が健康食材として人気を集めている。黒豆豆乳、黒豆茶などの売り上げは2割近くも増えているという。陳総幹事は、黒豆石鹸が、台湾の人々にとって健康ツールの新たな選択肢の一つとなり、恒春半島の農家にとって、有機農業へ参入する機会となるよう望んでいると意気込んでいる。

一方、花蓮県は、同県政府の指導のもと、瑞穂郷産文旦柚(サボンの一種)を原料とした石鹸を開発した。これは、花蓮特産の文旦柚、コーヒー、洛神花(ローゼル、ハイビスカスの一種)などの成分を抽出して製造した防疫手作り石鹸で、「印象花蓮(花蓮インプレッション)」のブランドで販売されている。瑞穂郷産文旦柚が主原料のこの石鹸は、同県吉安鄉農会によってコールドプロセス製法で一つ一つ手作りされている。

印象花蓮では、文旦柚のほか、瑞穂郷舞鶴村のコーヒー、玉里鎮の茶樹、温泉水、洛神花、寿豊郷の山ゴーヤ、万栄郷の馬告(黒胡椒に似たスパイス)など、花蓮各地の農産物や特産品を原料とした数十種類の手作り石鹸を販売している。

瑞穂郷には、600ヘクタール以上の文旦柚果樹園がある。これは、台湾全土の約13%にあたり、年間生産量は9,600トン、2,000万個に達する。瑞穂郷では、文旦柚の付加価値向上を目指し、文旦柚ハンドソープ、食器洗剤、アロマオイルなども開発している。

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