中華民国台湾の越境個人データの保護がAPEC(アジア太平洋経済協力)加盟国と足並みを揃えるため、国家発展委員会(国発会、日本の省レベル)は、財団法人資訊工業策進会(資策会、III=トリプルアイ)が、APECの越境プライバシールールシステム(Cross Border Privacy Rules、CBPR)に参加する事業者を審査する認証団体(アカウンタビリティ・エージェント、AA)に認定されることに積極的に取り組んでいる。国発会はこのほど、3日にAPECから資策会がアカウンタビリティ・エージェントに認定されたとの正式な通知を受けたことを明らかにした。
資策会は世界で9つ目のアカウンタビリティ・エージェントとなり、台湾も米国、日本、シンガポール、韓国に次いでアカウンタビリティ・エージェント認定を受けた五つ目のエコノミーとなった。
APECのCBPRシステムは、米国がAPECで積極的に推進している国境を超えて移転するデータを適切に保護する制度で、APEC域内における個人情報保護システムでもある。2011年にAPECで策定され、台湾のほか、米国、メキシコ、カナダ、日本、韓国、シンガポール、オーストラリア、フィリピンの8カ国が参加している。CBPRシステムの参加メンバーの貿易総額は世界の39%を占めており、その経済規模はかなり大きい。
資策会がこのほど、アカウンタビリティ・エージェントに認定されたことは、台湾の企業が国内外の法規制を遵守するためのセキュリティソリューションとなる。国境を超えて移転するデータに対する消費者の信頼を高め、海外へのビジネスチャンスを拡げることが可能だ。さらに紛争解決メカニズムの確立を通して、APECのプライバシー保護のスタンダードに合わせることで、国際社会において台湾のプライバシー保護制度の信用を高め、国境を越えたデジタル貿易の発展と協力を促進することもできる。
CBPRは、欧州連合(EU)におけるEU一般データ保護規則(GDPR)ほど厳格な規制ではない。そのため、中小企業が圧倒的な割合を占める台湾では、CBPRシステムに認定されたことを通じて、国際的な越境プライバシー保護制度に対する理解を深めることができるという利点もある。