中国が20日から台湾産果物レンブ(蓮霧)の輸入を禁止する中、産地である屏東県(台湾南部)の潘孟安県長(県知事)がレンブの加工品をアピールしている。中国は19日、台湾産のシャカトウ(釈迦頭)とレンブからコナカイガラムシの一種が見つかったとして、20日からこの2種類の果物の輸入を禁止すると発表した。潘孟安県長はこれを受けて19日、自身のフェイスブックで、屏東県で生産されるレンブの90%は国内向けで輸出は10%に過ぎないが、それでも貿易トラブルのリスクを避けるため「レンブを一つのかごに入れてはこなかった」(一極集中型の販売はしていない)と強調、早くからカナダ、香港、マカオ、ベトナム、シンガポールなどへ輸出先を広げ、毎年リスクの分散に努めていることを説明した。
そして20日、潘県長は再びフェイスブックに投稿し、レンブの加工品を魅力的な写真付きで紹介した。潘県長は、「レンブの季節はまだ来ていないけど食べたいって?それなら『屏東レンブトースト』を1枚どうぞ!」と書き込み、同県で早くから作られている「蓮霧果粒醤」(レンブ果肉入りジャム)を紹介。また、直接食べられる「蓮霧果乾」(レンブのドライフルーツ)、炭酸水に合わせたりカクテルに使ったり出来る「蓮霧果露」(レンブシロップ)もアピールした。これらの加工品は、同県佳冬郷の農会(日本の農協に相当)が生産するブランドレンブ「透紅佳人」を加工したもので、潘県長は佳冬郷農会の製品開発に向けた努力に感謝した。
潘県長は、同県での農産物の加工には長い歴史があり、全て高品質な材料を使っていると強調、レンブを年中食べられるようにしたほか市場リスクの分散も実現、さらには付加価値が高まることで生産農家を本当に助ける取り組みになっていると説明した。潘県長は、「屏東県はレンブの加工品シリーズを早くから開発しており、準備は出来ている」、「他人がその魅力をわからなくても関係ない。我々で食べ尽くそう!買い付けよう!」と呼びかけた。
潘県長の投稿に対し、コメント欄では多くの人が「どこで買えるのか」と質問。また、「レンブにこれほど多くの選択肢があると知って驚いた。ずっとそのまま食べるか、あるいは冷たいあえものにするものだと思っていた。勉強になった!」、「びっくりした!屏東県のレンブから派生した製品がいろいろあったなんて。レンブの果肉入りジャムが食べたい!」など、加工品の目新しさに驚く意見が相次いだ。