2025/05/02

Taiwan Today

経済

「洋服の青山」が台湾市場から撤退、1993年に台湾1号店

2021/11/19
日本の「洋服の青山」(AOYAMA TALOR)がコロナ禍のあおりを受け、台湾市場からの全面撤退を宣言した。店頭に大きく「台湾再見(さよなら、台湾)」の文字が見える。台北市内に残る西門店と中山店は12月26日に閉店する。(中央社)
1964年に創業し、1993年に台湾1号店を開いた日本の「洋服の青山」(AOYAMA TALOR)がコロナ禍のあおりを受け、台湾市場からの全面撤退を宣言した。台湾北部・台北市に残る西門店及び中山店は、12月26日で閉店する旨の通知を掲げている。
 
紳士服やスーツの専門店として知られる「洋服の青山」は、日本だけでなく、台湾にも多数の店舗を展開していた。57年の歴史を持つ老舗で、日本スタイルのスーツは台湾の男性の間でも根強い人気を誇っていた。しかし、近年は社員の服装に規制を設ける企業も減り、会社員にとってスーツは唯一の選択肢ではなくなってきた。それに加えてZARAやUNIQLOなどのファストファッションがシェアを伸ばし、「洋服の青山」の業績に影響を与えていた。
 
これにとどめを刺したのが、昨年始まった新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)だ。多くの企業がテレワークを実施するようになり、スーツのニーズが大幅に減った。「洋服の青山」は昨年、台中店(台湾中部・台中市)と、台北市東区で18年間の歴史を持つ店舗を閉じた。そしてこのほど、最後に残る西門店と中山店についても閉店し、台湾市場から完全撤退することを発表した。
 
「洋服の青山」は実は日本でも昨年から大規模な改革を進めており、将来的には計140店舗の閉店を予定している。「洋服の青山」を展開する青山商事は、利益を出していない店舗を閉店したり、人件費を削減したりするなどして経営の効率化を図り、同時にオンラインストアでの販売に力を入れることを明らかにしている。それでも青山商事の青山理代表取締役社長は「たとえコロナが収束したとしても、スーツ市場がかつての勢いを取り戻すことはないだろう」と認めている。
 
このコロナ禍で、また一つの企業が幕を下ろす。台湾では「洋服の青山」の市場撤退を惜しむ声も大きい。
 

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