2025/05/12

Taiwan Today

経済

桃園市が台湾南部の産地と連携、活魚梱包技術で新鮮なハタを世界各地に直送

2022/07/14
中国が台湾産ハタの輸入を禁止する中、台湾北部・桃園市が台湾南部の産地と連携、業者を仲介して台湾産ハタの他市場への輸出を増やしている。写真は活きたハタを梱包するため生け簀から魚をすくい上げる桃園市の鄭文燦市長(中央で網を持っている人物)。その左は屏東県の潘孟安県長。(桃園市サイトより)
中国が台湾産ハタの輸入を禁止する中、台湾北部・桃園市が南部の産地と連携、業者を仲介して台湾産ハタの他市場への輸出を増やしている。現在平均で毎週17トンを空輸出来るほか来年6月までは海外からの注文がすでに入っている状態で、中国向け輸出が無くなった「穴」を補っている。
 
桃園市の鄭文燦市長は13日、屏東県(台湾南部)の潘孟安県長(県知事)と共に桃園市大園区にある「世界聯合水産有限公司」の「河馬水産」を訪問し、輸出に向けた梱包状況を参観、他の関係者と共に活魚の梱包作業に自ら挑戦した。梱包されたハタは米国のニューヨークに送られるもので、業者の技術により梱包から30時間以内に世界各地に直接届けられるという。
 
鄭桃園市長は報道陣に対し、これまでハタの主な輸出先だった中国が最近科学的な検疫基準に従わない形で輸入を禁止したのを受け、桃園市は台湾桃園国際空港がある強みを生かし、貿易網を持つ「世界聯合水産」と協議すると同時に産地である屏東県、高雄市(台湾南部)、台南市(同)と連携、「桃園市で梱包して出荷する」方式で台湾産ハタの厳しい輸出状況を打開することに成功したと説明した。
 
「河馬水産」は今回高度な活魚梱包技術を用いると共に物流システムや輸送費用の問題を克服、産地から桃園市に送られた活魚をそこで梱包して海外に輸出する形をとっている。これは桃園市の鄭市長が「河馬水産」と交渉して実現したもので、養殖ハタの産地である屏東県の潘県長は鄭市長に感謝、販売量が大きいほか受注も安定、産地直送方式でハタの鮮度が保証され市場での競争力も高まったと歓迎した。
 
桃園市によると、「世界聯合水産」の処理能力に基づけば現在は毎週17トンの輸出が可能。1年ならば約884トンを海外に販売出来、中国による輸入禁止の影響の約四分の一を補えるという。桃園市は、検疫証明や輸送費用の補助に関する行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)による協力に感謝。行政院農業委員会ではまた、チャイナエアライン(中華航空)にもハタの日本向け輸出を特例案件として補助を行っている。
 
 

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