タイのプーケットで9日と10日、APEC(アジア太平洋経済協力)中小企業担当大臣会合が開かれ、経済部(日本の経済産業省に相当)の陳正祺政務次長(=副大臣)をはじめとする台湾代表団が出席した。陳次長はこの会合で、中小企業のデジタルトランスフォーメーションやスタートアップなどに対する政府の支援について語った。
陳次長はこの2日間の会合で、台湾のデジタルトランスフォーメーションについて知見を共有した。陳次長によると、新型コロナウイルスのパンデミックは危機でもあったが、それは転機でもあり、中小企業にデジタルトランスフォーメーションの重要性を認識させたと指摘。こうした中で、政府は中小企業のデジタルトランスフォーメーションと脱炭素を全力で後押ししたと説明した。
陳次長はこのほかに、中小企業の国際化や女性の起業支援についても説明。中小企業は海外とのコネクションが比較的弱いので、政府がスタートアップのための施設、インキュベーターやアクセラレータなどを提供し、スタートアップや大企業の社内ベンチャーの入居を歓迎し、これらと経験を共有したり、指導したりしていると説明した。同時に、政府の海外出先機関を通して、海外のベンチャー・キャピタルのグループやスタートアップ産業とのコネクションを作り、台湾のスタートアップ施設を拠点として、海外の企業やベンチャー・キャピタルとの連結を強化していることなども紹介した。
陳次長によると、この会合で台湾の代表団はその他のAPECエコノミーの代表団と公式な二者会談を行ったり、会場内で交流を持ったりしたが、台湾の中小企業やスタートアップ産業に関心を持つ国も少なくなかった。こうした国々は、台湾とのコネクションを築き、互いの中小企業を相互訪問させたり、スタートアップ施設に入居させる機会を得たいと考え、制度やメカニズムを伴った協力関係の確立も視野に入れているという。