台湾中油股份有限公司(CPC)が世界と足並みをそろえて2050年のカーボンニュートラルを実現するため、台湾における欧州企業の商工会議所に相当する「欧州在台商務協会(European Chamber of Commerce Taiwan, ECCT)」(以下、「欧州商会」)と共に12日、台湾北部・台北市内のホテルで、「2050年カーボンニュートラル:理想的な実践報告書(Net Zero by 2050: Best Practices Report)」を発表した。内容は台湾中油公司のカーボンニュートラルに向けた変革戦略、カーボンニュートラルに対応した各国の政策と企業の対策のほか、欧州でのエネルギー政策や具体的な措置、ならびにカーボンニュートラルに向けた変革のための理想的なソリューションなど。また、安侯永続発展顧問公司が同報告書の摘要を説明した。
発表会には経済部(日本の経済産業省に相当)の王美花部長(大臣)も招きに応じて出席し、2050年のカーボンニュートラルに向けた経済部の政策と行動を説明。台湾中油公司と「欧州商会」から同報告書を受け取った。
台湾中油公司の李順欽董事長(=会長)はあいさつの中で、台湾中油公司はすでにCO2排出量を30%以上減らすことに成功、2030年に2005年と比較して49.5%の削減を達成することが中期目標であり、2050年にはカーボンニュートラルを実現すると説明した。李董事長は、欧州諸国はカーボンニュートラルの先駆者であると共にトップランナーであり、欧州企業は低炭素エネルギーのためのソリューションと技術開発において世界をリードしていると指摘、このため台湾中油公司は今回再び「欧州商会」と協力し、カーボンニュートラルに関する政策と法規、産業のソリューションなどをテーマに最新の動きとこれに対応する産業界の現況についての情報を提供すると述べた。情報には水素エネルギー、エネルギーの貯蔵、電気自動車、CO2の回収・貯留・再利用などが含まれる。
李董事長は、台湾中油公司は国営企業であり、国内で必要なエネルギーの安定供給という任務を果たすほか、カーボンニュートラルの時代に対応するための変革に積極的に取り組んでいかねばならないと強調、今後「欧州商会」とのより密接な交流が台湾中油公司の「優れた石油製品、CO2削減、クリーンエネルギー」の三大戦略を支え、カーボンニュートラルに向けた変革につながることに期待を寄せた。
経済部は、今回の発表会は政府と産業界にカーボンニュートラルのカギとなる専門技術と経験を学ぶ機会を与えるほか、今後生まれるであろうより多くの国際的な提携案件の推進にも役立ち、共同で理想的なソリューションを採用していくことで台湾がより円滑かつスピーディに2050年のカーボンニュートラルという目標に到達出来るようにするものだと期待した。