国営企業で石油大手の台湾中油公司と、ビル・ゲイツ氏らが出資することで知られるベースロードパワータイワンは18日、再生可能エネルギー分野での協力を目指してMOU（協力覚書）に調印した。2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「2050年ネットゼロ」を政策に掲げる政府にとって、目標達成の後押しになると期待が持たれている。
MOUの調印は、台湾中油公司の李順欽董事長とベースロードパワータイワンの黄天徳董事長が行い、経済部の陳怡鈴主任秘書が立ち会った。ベースロードパワーは、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏らが設立した投資ファンド「ブレークスルー・エナジー・ベンチャーズ」の支持を受け、世界各地で地熱発電所の開発に携わっている。今回のMOUは、ベースロードパワーが持つ探査から発電所建設までの経験と、台湾中油公司が長年積み重ねてきた石油や天然ガスの探査・採掘の実務経験を組み合わせることで、台湾の再生可能エネルギー普及の新たな動力を生み出すことを期待するもの。双方はまず、花蓮県瑞穂地域の地熱資源開発での協力を皮切りに、「ネットゼロ」、「サステナビリティ」に掛ける意欲を示していくという。