台湾電力公司と日本の三菱重工業、三菱商事、三菱商事マシナリは16日、台湾電力公司が運営する林口石炭火力発電所(新北市林口区)でアンモニア混焼を導入するための覚書に調印した。短期的には2030年までにアンモニア混焼率5%を達成し、年間のCO2排出量を9,000トン削減することを目指す。長期的には混焼率20%を目標とする。
この調印式には台湾電力公司の王耀庭総経理、三菱重工業エナジートランジション&パワー事業本部長を務める上席シニアフェローの土師俊幸氏、三菱商事株式会社次世代燃料・石油事業本部長の羽場広樹氏、三菱商事マシナリ株式会社代表取締役社長の中島拓氏が参加した。
台湾電力公司によると、三菱重工業と三菱商事マシナリは、林口石炭火力発電所のアンモニアバーナーなど混焼に必要な装置・機器の供給を手掛ける。また、三菱商事はクリーン燃料アンモニアの安定供給確保に向けたサプライチェーンの構築について検討する。アンモニア混焼率5%の目標が達成できれば、林口石炭火力発電所はCO2排出量を年間9,000トン削減することが可能となる。これは、台北市大安区にある大安森林公園23個分の年間CO2吸収量に相当する。
台湾電力公司はすでに、独シーメンスと水素混焼の導入で覚書を締結している。三菱重工業とのアンモニア混焼に関する覚書は、これに続くものとなる。また、今後は米ゼネラル・エレクトリック(GE)とも天然ガス火力発電所にCCUSを組み込む技術に関して覚書を締結し、協力を展開することを検討しているという。