経済部(日本の経済産業省に相当)国際貿易局と中華民国対外貿易発展協会(TAITRA 日本での名称は「台湾貿易センター」)が1日、日本の東京都内で精密部品や金物の売り込みを目的とした商談会を開催した。台湾の企業56社の代表116名が参加する貿易ミッションで、こうした精密部品の商談イベントは10回目。金物では今回が初めて。日本企業の代表254名が来場して台湾の企業と800回を超える商談会が行われた。11月29日には大阪でも開かれており、東京での商談会と合わせると、日本企業からの参加人数は前回(2019年)から40%増えた。
大阪での商談会には日本企業から272名が来場、台湾の企業と600回近い商談会を行った。工作機械大手のヤマザキマザックや日立造船からも関係者が参加し、部品のカスタマイズについて商談、MonotaRo、喜一工具、ダイドーハント、ATRYZ YODOGAWAなどは台湾製のDIY工具に強い興味を示した。東京の商談会に参加した著名な日本企業ではカシオ計算機、千代田組、三菱マテリアルがその場で精密部品を買い付けたほか、ホームセンターのカインズ、ロイヤルホームセンター、住宅設備機器のLIXILなどがビスやハンドツールを購入した。
新型コロナウイルスの拡大が世界で収まりつつあるほか、日本の政府と産業界がサプライチェーンの強靭性強化を重要課題とみなしていること、さらに円安が機械などの輸出拡大を後押ししていることで、日本の工作機械の生産額は今年過去最高を更新している。部品、ならびにボルトなどのねじ製品、メンテナンスツールなど関連製品の需要も拡大を続けており、台湾の業者は日本市場開拓に最適な機会ととらえている。このためチャンスをつかむ貿易ミッションの加速が求められている。
今回の貿易ミッションには精密部品の業者40社とねじ製品、ハンドツール、金物に関するメーカー16社が参加し、様々な工業製品を紹介した。機械と自動車やオートバイの鍛造品、医療用金属部品、ゴム・プラスチック加工品など、台湾が競争力を持つ中間財も含まれる。ねじ製品のメーカーは特許技術や高度なOEM(相手先ブランドでの受託生産)能力を有しており、製造と多元的な製品開発を統合出来る特性がある。
国際貿易局は、コロナ禍が各産業にもたらした影響は甚大だとする一方、台湾と日本が互いに重要な貿易パートナーであること、ならびに台日サプライチェーン関係の緊密性はその影響を受けておらず、この日の商談会の盛況ぶりから見て今後台日の提携には大きな可能性があるはずだと歓迎、このため来年も各業界での貿易ミッションの派遣、見本市への参加、調達商談会の開催などの交流活動を実施し、台日の経済貿易関係深化を図りたいとしている。