中華民国(台湾)経済部(日本の経産省に相当)と米バージニア州は25日、外交部本庁舎(台湾北部・台北市)において、経済・貿易協力に関する了解覚書(MOU)に調印した。経済部の陳正祺政務次長(=副大臣)とバージニア州のグレン・ヤンキン(Glenn Youngkin)知事が調印に臨んだ。双方は今後、貿易、投資、産業等の方面で協力を強化し、新たな商機を開拓し、より緊密な経済連携を確立する。
台湾と米国の経済・貿易関係は近年緊密化している。経済部とアメリカの商務省は2021年に「技術貿易と投資に関する協力の枠組み」(TTIC)を立ち上げた。台湾はこの枠組みの下、米国各州との経済・貿易分野でのパートナー関係を深化させている。今回はヤンキン知事自ら台湾を訪れ、台湾と了解覚書に調印した。米国の州知事自ら台湾を訪れて了解覚書に調印するのは、2022年の米インディアナ州に次ぐもの。これは、台米の協力関係が連邦政府から各州の自治体へと、協力の側面が深化且つ拡大していることを意味している。
2022年、バージニア州の対台湾輸出額は7.31億米ドル、対台湾輸入額は10.2億米ドルに達した。同年、バージニア州にとって台湾は、10番目の輸出相手国であり、9番目の輸入相手国となった。これは近年経済・貿易を取り巻く国際情勢が変化する中、台湾とバージニア州の経済・貿易分野でのパートナー関係が非常に緊密になっていることを意味する。
ヤンキン知事は「信頼に足るパートナーとともに、現在の経済を取り巻く環境への挑戦に対応するため、本日、台湾の経済部と了解覚書に調印した。バージニア州と台湾の関係は、より緊密になるだろう」と述べた。
陳正祺政務次長は、「台湾と米国はともに、民主主義の価値や自由で開かれた市場を享受している。バージニア州はバージニア工科大学などの有名な大学を持ち、そこから輩出されたエンジニア人材が、半導体や再生可能エネルギーなどの分野に投入されている。一方台湾は、情報通信や半導体産業に強く、知的財産権の保護も重視している。まさに信頼するに値するパートナーと言える。本日の了解覚書の調印は、双方が投資や産業などの方面で協力を展開するためのスタート地点に過ぎない。これから双方の関係は新たな時代を迎えるだろう」と期待を寄せた。