経済部(日本の経済産業省に相当)が11日、工業技術研究院(ITRI)の台南六甲院区で「超快雷射研発創新中心」(以下、超高速レーザー研究開発イノベーションセンター)を開設した。経済部技術処の邱求慧処長、リトアニア貿易代表処のPaulius Lukauskas代表、台南市の趙卿恵副市長、工業技術研究院における上級技術専門家の呉志毅氏、リトアニア・レーザー協会のGediminas Račiukaitis会長、台湾機械工業同業公会(組合)の魏燦文理事長、台湾区電機電子工業同業公会の廖伯熙副理事長らが立ち会う中で、リトアニア・レーザー協会の協力を得て世界シェアトップかつ最先端のリトアニア製フェムト秒レーザーの光源を導入し、さらにリトアニア企業14社を終結させる「超高速レーザー研究イノベーションセンター」が発足した。今後はオプト半導体(光半導体)、医療器材、通信技術などの産業での製造工程における応用をターゲットに、30億台湾元(約135億日本円)とされるビジネスチャンスを台湾の関連企業が獲得できるよう後押しする。
経済部技術処の邱処長によると、超高速レーザーの光源のうちフェムト秒レーザーのパルスはより短く速いほか、出力の精度も高く、高精度の医療や超精密加工への応用に非常に適している。現在、台湾における超高速レーザーを用いた美容医療機器のメーカーは主に欧米の企業で、海外と協力してフェムト秒レーザーの手術機器や工業用の加工設備を開発できたならば、オプト半導体や医療器材、通信分野へのビジネスチャンス30億台湾元が見込まれるという。
リトアニア貿易代表処のLukauskas代表は、「台湾はすでに科学技術と経済で世界の強者だ。一方でリトアニアのレーザー技術には58年の歴史があり、毎年10~15%の速度で成長を続けている」と説明。その上で、今回リトアニアと台湾が協力することにより技術と人材、製品、応用面での互いの欠点を補い合え、高付加価値なレーザーの応用分野を共同で発展させることで双方の産業に利益と効果をもたらせると期待した。