世界最大級のハイテク技術見本市「CES2024」が9日から12日まで米ラスベガスで開かれており、経済部(日本の経済産業省に相当)が台湾のスタートアップ企業14社を率いて参加している。出展しているのは電動車の充電スタンド、電動車の全固体電池技術、スマートEVバスの統合システム、航空宇宙産業用複合材料、半導体材料、IoT(モノのインターネット)、スマート農業など幅広い分野の製品。経済部による協力の下、欧米の大企業にアプローチして成果を挙げている。起而行緑能股份有限公司(eTreego)は米国企業4社と提携、米国に電動車両の充電スタンド9,000基を設置することになった。また、科飛数位股份有限公司(Kopherbit)は欧州系の大手自動車メーカーと提携、自動車用の組み込みシステム(embedded system)と自動化のソリューションを提供する。生徳奈生物科技股份有限公司(CYTENA BPS)も米国の著名な製薬会社及び世界トップクラスのCDMO(医薬品受託製造企業)から1,000万台湾元(約4,500万日本円)規模の受注を果たした。このほか、成宏能源、詮準科技、愛国者緑能、奈捷生物科技及び皓準科技も米国の大企業と10件以上のテストオーダー獲得もしくは協力覚書(MOU)の締結に成功、国際市場に打って出るための足掛かりを作った。
「CES2024」の開催期間中、経済部はシリコンバレーのスタートアップ企業やそれを支える業界と環境に積極的にアプローチすることで台湾の科学技術力拡大を図っている。1月5日にはシリコンバレーで「2024 Taiwan Demo Day」を開催し、台湾のスタートアップ企業のほか、シリコンバレーにおけるスタートアップのエコシステムの関係者、専門家、投資家を招いた。アップル、シノプシス、インテルなどの関係者や著名な大学教授、弁護士、科学者など、150人以上が姿を見せ、台湾のスタートアップ企業はシリコンバレーの専門家や投資家に直接その技術や製品を紹介、交流と提携のビジネスチャンスを探る機会を得た。
経済部は、「CES」と「Taiwan Demo Day」を通じてスタートアップ企業の製品の可視性向上や海外のリソースとのアクセス、国際市場の開拓をサポートすることで台湾のスタートアップ企業を力強く成長させ、国家の産業レベルアップを実現し、過去を上回る経済発展につなげたいとしている。