地熱発電がエネルギートランジションに担う重要な役割が注目される中、「台湾国際地熱フォーラム(Taiwan International Geothermal Conference)」が20日に台湾北部・台北市内で開幕した。21日まで。経済部(日本の経済産業省に相当)の曽文生政務次長(=副大臣)は席上現在の台湾における地熱発電の状況を紹介。それによると、台湾における地熱発電施設の発電設備容量はすでに60MW(メガワット)を超え、2025年には20MWの商業運転を開始する予定。目標は2050年に6GW(ギガワット)の規模を達成すること。土地の取得問題の解決に向けて経済部は「再生可能エネルギー発展条例」の改正に着手、地熱発電所に開発の権利を与えることにしている。
曽政務次長はスピーチの中で、再生可能エネルギーは台湾のエネルギートランジションにとってのカギであり、すでに急速な発展を実現している太陽光発電と風力発電に続いて台湾が次に重きを置くのは地熱発電の発展だと指摘。その上で、地熱はベースロード(基礎負荷)の要件を満たす信頼性の高い電力に属するとし、台湾では24カ所がすでに運転もしくは開発中であることを説明した。主な地域は台湾北部・台北市の大屯山区、同北東部・宜蘭県の清水及び仁澤、東部の花蓮県瑞穂、南東部・台東県の紅葉などで、発電設備容量は合計で約61.75MWだという。
曽政務次長によれば、台湾における地熱発電は2025年には少なくとも20MWが商業運転に入り、それから向こう5年で10倍、すなわち2030年には200MWに拡大、その後の10年でさらに10倍に増やして2040年に2GWを達成する。そして2050年には6GW規模を目指すという。
台湾中油股份有限公司(CPC Corporation, Taiwan)の李順欽董事長(=会長)は、台湾中油にとって水素と地熱はグリーンエネルギー推進の2本柱だとし、同社ではこれらの分野で先行している企業のシュルンベルジェ・オイルフィールド・ホールディングス(Schlumberger Oilfield Holdings Ltd.)及びベースロードパワー社(Baseload Power社などと提携していることを説明した。
経済部エネルギー署の林文信組長は、台湾の浅層地中熱には容量約1GW(ギガワット)の潜在能力があるとし、2030年以降は深層地中熱の開発を加速出来るよう期待した。