経済部の陳正祺政務次長（=副大臣）は2日と3日、訪問団を率いてオランダを訪問した。オランダでは外務省や経済・気候政策省などを訪問し、双方の経済・貿易分野でのパートナーシップ強化について意見を交わした。
陳次長はほかに、対台湾投資を行う主なオランダ企業や、オランダに進出する台湾企業などの関係者とも会談し、業界の意見に耳を傾けた。陳次長は、現在の国際情勢の下、いかにしてオランダとの産業協力を強化し、グローバル・サプライチェーンにおける台湾の地位を盤石なものにするかについて語ったほか、台湾がオランダ企業の投資に適した環境であることや、双方の経済・貿易・産業の投資協力に有利であることを説明した。
陳次長はまた、オランダのシンクタンクであるハーグ戦略研究センター（The Hague Centre for Strategic Studies）が開催した非公開会議にも参加し、基調講演を発表するとともに、世界の地政学における台湾の重要な役割について意見を交わした。陳次長はこの講演で、台湾とオランダは近い理念を持つパートナーだと指摘した上で、台湾では5月20日に新政権が発足するが、現在の政権の政策が引き継がれることになると説明。友好国とのサプライチェーンの連結強化に取り組み、既存の産業を基盤として、半導体、人工知能（ＡＩ）、情報セキュリティなど重要な産業を積極的に発展させることになるとして、台湾とオランダがこれからも協力や交流を拡大し、ウィン・ウィンの契機を生み出せるよう期待を寄せた。
台湾とオランダの経済・貿易分野での協力はかねてより緊密で、双方が開催する「台湾・オランダ経済対話」は、双方が経済・貿易に関する議題について話し合う重要なプラットフォームとなっている。2023年の台湾とオランダの貿易総額は203.8億米ドルで、直近10年間で最多となった。オランダは台湾にとって欧州で2番目となる貿易パートナーであり、欧州最大の投資元、欧州2番目の投資先となっている。