農業部(日本の農林水産省に相当)の陳駿季部長(=大臣)が4日、日本の神戸総合運動公園で開かれた「台湾農産品デー」イベントに参加した。同公園内のほっともっとフィールド神戸ではこの日、日本のプロ野球、オリックス・バファローズと埼玉西武ライオンズとの試合が行われ、陳農業部長は始球式を行ったほか、試合前には球団に台湾式「香腸」(ソーセージ)、「貢丸」(肉団子)、排骨(骨付きばら肉を煮たり揚げたりしたもの)、「肉燥」(細切れ豚肉を煮込んだもの)など豚肉の加工食品を寄贈し、スタンドの2万人あまりの野球ファンに台湾の豚肉加工品をPRした。台湾の豚肉加工品が日本の野球場で販売されるのは初めて。販売ブースには絶えず人だかりが出来、陳農業部長もブースで自ら販売、集まった人たちに台湾のソーセージと肉団子を強く勧めた。
陳農業部長によると、農業部は過去3年の間に日本のプロ野球団体と度々協力、関東地区で台湾産農産物のPRイベントを開催し、日本の野球ファンに向けてバナナやパイナップル、マンゴー、冷凍アテモヤなどの台湾産フルーツと豚肉加工品を紹介してきたが、今回はさらに関西の神戸総合運動公園野球場(ほっともっとフィールド神戸)でバファローズと協力し、「台湾農産品デー」イベントを実現させた。台湾のソーセージと肉団子が日本のプロ野球の球場で販売されるのは初めてだという。
陳農業部長は、台湾産豚肉の海外輸出は近年好調で、昨年には生鮮豚肉を初めてフィリピンに輸出、五つ星クラスのホテルで採用されたほか、台湾の「排骨便当」(排骨をメインにした弁当)も日本の京浜急行電鉄傘下のスーパーマーケット38店舗で試験的に販売されて好評だったと説明。また、農業部は現在国際獣疫事務局(WOAH)に対し、台湾を「豚熱清浄国」として認めるよう申請を行っているところで、順調ならば来年には豚に関する三大伝染病(口蹄疫、豚熱、アフリカ豚熱)でアジア唯一の清浄区域になる見通しだと説明した。陳農業部長は、そうなった場合、台湾の生鮮豚肉は全世界に輸出できるようになるため、日本の消費者に食べてもらえるほか、世界各国の食卓にも上るようになると期待を示した。
農業部によると、近年農業部は輸出業者が各国で行う台湾の豚肉加工品のプロモーション活動に補助金を用意、台湾の畜産業者による日本、オーストラリア、シンガポールなどでの市場開拓を2年連続で支援している。昨年、こうした指導を受けた畜産業者の販売金額が9,200万台湾元(約4億日本円)あまりに達したことは、台湾産豚肉がすでに海外の消費者に幅広く受け入れられていることを示している。