2025/05/19

Taiwan Today

経済

台日シイタケ産業の交流・協力強化で台湾産シイタケの生産力強化を図る

2024/09/12
農業部農糧署は11日、台湾と日本のシイタケ産業の協力を図るための覚書(MOU)締結式を開催した。写真左から3人目は農業部の胡忠一政務次長(=副大臣)。(農業部)
農業部農糧署は11日、台湾と日本のシイタケ産業の協力を図るための覚書(MOU)締結式を開催した。シイタケの生産で台湾トップを誇る台中市新社区農会(農協)と日本のキノコ業界のパイオニア、森産業株式会社(群馬県桐生市)、その輸入業者である台湾の第一名店の3者による覚書(MOU)の締結と、新社区農会と農業試験所による技術協力に関する覚書の締結が同時に行われた。
 
締結に立ち会った農業部の胡忠一政務次長(=副大臣)によると、気候変動による温暖化の影響を受け、台湾ではシイタケ生産量が大幅に減少している。キノコ類は摂氏23度の環境での栽培に適しており、25度以上になると発育不良になる。近年の温暖化は台湾のキノコ類の生産に衝撃を与えており、2018年には117.16億台湾元(約519億日本円)だったキノコ生産高が、2023年には91.31億台湾元(約404億日本円)へと減少した。そのうちシイタケの生産高は86.61億台湾元(約383億日本円)から66.15億台湾元(約292億日本円)に減少。胡忠一政務次長は「これは高い気温が菌種を弱体化させたからであり、生産量をいかにして増やすかが当面の急務となっている」と説明した。

胡忠一政務次長はさらに、日本では1つの菌床で600グラムのシイタケを栽培することができるが、台湾はこれが300グラムから200グラムに減ってきていると説明。しかし、胡忠一政務次長は今年4月に視察で日本を訪れた際、日本では温度や湿度を制御した生産が行われ、栽培されるシイタケも傘が大きく肉厚で、品質も良好であることを知った。胡忠一政務次長は、日本では年間1,000種類以上の菌種の研究・開発が行われており、国産の菌種を使って日本で生産したシイタケは日本でトップのシェアを誇ると指摘。今回のMOU締結は台湾と日本の関係深化と双方の産業の50年にわたる信頼関係によって実現したものだと説明した上で、(MOU締結後は)日本の経験から学び、菌種弱体化の問題を改善し、耐熱性を持った菌種を普及させるなどして、台湾のキノコ減産問題を改善していきたいと期待を寄せた。
 
同時に、日本でも気温30度を上回る日が増える中、日本側が耐熱性を持った品種を研究・開発するにあたり、台湾がその環境を提供するなどして、互いに産業の競争力を強化していきたい考えだ。
 

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