2025/06/07

Taiwan Today

経済

宜蘭県員山郷で深部地熱調査井の掘削開始、積極的に地熱発電開発へ

2024/10/23
中央研究院と経済部は宜蘭県員山郷で21日、「宜蘭員山深部地熱調査井」(員山1号井)の掘削開始を祝うセレモニーを開催した。台湾初の深部地熱調査井となる。(経済部)
宜蘭県員山郷で21日、「宜蘭員山深部地熱調査井」(員山1号井)の掘削開始を祝うセレモニーが行われた。台湾の最高学術研究機関である中央研究院の廖俊智院長と経済部の郭智輝部長(経済相)が共同で主催し、宜蘭県の林姿妙県長(県知事)や台湾の石油大手である台湾中油公司の李順欽董事長、それに農業部や国家科学及技術委員会の関係者らが参列した。
 
この「員山1号井」は台湾初の深部地熱調査井で、中央研究院が持つ科学研究分野の専門知識と台湾中油公司が持つ地熱探査と掘削の実務経験の協力によって実現した。掘削の深さは4,000メートルを目標としており、これにより地下の地熱資源の分布と特性を調査し、今後の地熱発電計画の参考とする。また、台湾の政府が掲げる「第二次ネエルギー構造転換」の目標に基づいて多様なグリーン・エネルギーの開発を行い、台湾のエネルギー自給率を高め、「2050ネット・ゼロ」の目標に向かって邁進する。
 
中央研究院と台湾中油公司は2022年6月17日にグリーン・エネルギー開発で協力することを盛り込んだ覚書に調印した。宜蘭県の蘭陽平原を協力の起点とすることで合意し、2022年以降、探査計画を推進し、員山地区に高いポテンシャルを持つ地熱資源が眠る可能性があることを把握した。双方は一気に深さ4,000メートルという深部地熱調査井を掘削することを決定。地熱資源が発見された場合、関連の地熱エネルギーの開発を行う。また、今後はこの一連の経験をほかの深部地熱エリアでも応用する考え。
 
台湾の政府は2050年までに「ネット・ゼロ」を実現するという目標を掲げる。再生エネルギーの開発は台湾の「ネット・ゼロ移行」のための五大戦略の一つだ。そのうち地熱発電は天候に左右されることがない安定した再生可能ネエルギーで、「ベースロード電源」(一定量の電力を安定的に供給する電源)として今後台湾の全体的なエネルギー発展において重要な役目を果たすと期待されている。
 

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