2025/06/07

Taiwan Today

経済

台湾産生鮮豚肉、15年ぶりに対シンガポール輸出再開

2025/01/09
農業部の陳駿季部長は8日、屏東県(台湾南部)で台湾産の冷蔵豚肉の対シンガポール輸出に関する記者会見を開いた。シンガポールへの生鮮豚肉の輸出再開は15年ぶりのこと。(農業部)
農業部の陳駿季部長は8日、屏東県(台湾南部)で台湾産の冷蔵豚肉の対シンガポール輸出に関する記者会見を開いた。農業部は、台湾が口蹄疫の清浄国に認定されて以来、台湾産生鮮豚肉の海外市場開拓を積極的に支援してきた。それが奏功して、シンガポールへの生鮮豚肉の輸出が15年ぶりに再開することとなった。農業部は今後も海外市場の開拓に取り組み、世界のより多くの消費者の安全でおいしい台湾産豚肉を届けたいと意気込んでいる。
 
今回、シンガポールに向けて出荷されたのは、台湾の嘉一香食品股份有限公司とシンガポールのOJJ Foods社の取引によるもので冷蔵豚肉32.6トン。嘉一香食品股份有限公司の陳国訓董事長と、OJJ Foods社のWilson Lim社長はこの日、農業部の陳駿季部長の立ち合いの下、MOU(覚書)を締結して業務提携のスタートを切った。これは同時に、台湾産豚肉がさらに海外市場を開拓するための基盤となる。
 
農業部の陳駿季部長は、「台湾はかつて豚肉の主要な輸出国だった。しかし、口蹄疫の発生により対シンガポール輸出は中断し、台湾の養豚業者の収益や産業は大きな衝撃を受けた。近年農業部は関連省庁と連携し、また関連業界とも努力を重ねた結果、2020年に口蹄疫の清浄国認定を勝ち取った。それに続き、2024年11月にはシンガポールの食品衛生当局から輸入の許可を得ることに成功した。今回(台湾企業とシンガポール企業の業務提携)の成果は、政府と業界が一丸となって努力した結果だ。農業部は今年、シンガポール政府から関係者を招き、豚肉の輸出に意欲を示す台湾の業者5社を視察してもらう予定だ」と述べ、これからも台湾の業者が海外市場を開拓できるよう協力していくと強調した。
 
台湾は現在、豚熱(CSF)についても国際獣疫事務局(WOAH)に清浄国認定申請を行っている。順調にいけば、早ければ今年5月にも認定が行われる見込みで、そうなればアジアで唯一、豚熱、口蹄疫、アフリカ豚熱(ASF)というブタにとっての悪性家畜伝染病のすべてで清浄国となり、台湾の養豚産業や豚肉製品の国際競争力を大幅に引き上げることになる。
 
統計によれば、台湾では2024年、生鮮豚肉の輸出が2023年の9倍に増えた。シンガポールのほか、日本、マレーシア、ベトナムなどが台湾の生鮮豚肉にとって非常に重要なターゲット・マーケットだ。農業部はすでにこれらの国々の当局に輸出申請を提出している。農業部は、こうした国々との検疫交渉、市場調査・研究、バイヤーとの流通経路の連携、販促活動などを通じて、さらに多くの輸出市場を開拓し、各国の消費者に台湾産の高品質な生鮮豚肉や加工豚肉製品を認識してもらい、養豚産業全体の持続的な発展と収益確保を目指したいとしている。
 

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