台湾で結婚式場「晶宴会館(AMAZING HALL)や高級海鮮レストラン「頂鮮台南担仔麺」、「海峡会」など複数の飲食ブランドを持つ御嵿国際股份有限公司(TOPLUS GLOBAL、日本での名称はオクチョウ)が3日、台湾積体電路製造(TSMC)の工場がある日本の熊本県菊陽町に、台湾料理を提供するレストランや宴会場などが入る複合施設「日台会館」(Palais de Formosa)をオープンさせた。熊本県八代市に本社を置く株式会社出雲総業と業務提携し、同社が所有していた結婚式場「ブランヴェールアベニュー熊本」を買い取って改装した。台湾積体電路製造(TSMC)や関連企業の進出によって生まれる新たな消費需要に対応する。オープニングセレモニーには熊本県の木村敬知事、熊本県菊池市の江頭実市長、御嵿グループの孫正強董事長、李日東副董事長、台南市の黄偉哲市長、台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長、熊本銀行の坂本俊宏総裁、台湾日本研究院九州支部の隈本直樹支部長らが駆け付け、台湾と日本の交流の新たなマイルストーンを祝った。
台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長はオープニングセレモニーで、御嵿グループが台湾の外食業界の上場大手企業であること、高級飲食店の経営に専念し、台湾の海鮮料理をベースにした創作料理を武器に自社ブランドをいくつも経営し、国内外の美食家に世界レベルの台湾グルメを提供していることなどを紹介した。また、御嵿グループと出雲総業との業務提携は台日関係がさらに深まることを意味するものだと歓迎。「日台会館」の誕生は、自身が着任時に掲げた「日本初となる台湾タウンを誕生させる」という願望を実現するものでもあると述べ、この施設が台湾の人々に故郷の味を提供するだけでなく、九州各地に住む日本の人々に対しても台湾の美食や文化を紹介する架け橋となるよう期待を寄せた。
オープニングセレモニーには、近年熊本県とさまざまな交流を展開している台南市の黄偉哲市長も訪れた。黄偉哲市長は昨年(2024年)8月、御嵿グループが熊本市で企画・開催した台湾フェア「御嵿台湾祭」にも参加し、自ら台南産の農水産品を売り込んだ。また、2024年11月には台南市東区が熊本県菊池市と友好交流協定を締結したばかり。黄偉哲市長は、「日台会館」のオープンは台湾と日本だけでなく、台南と熊本との関係深化にもつながるものだと歓迎。「日台会館」が台湾料理を提供するだけでなく、台湾商品の販売も行うことになることから、「台南は台湾の農産品の中でも重要な産地の一つだ。パイナップル、マンゴー、文旦、台湾ナツメ、サバヒー、コチョウラン、それに昨年6月に日本政府が輸入を解禁した赤肉のドラゴンフルーツなど、どれも台南を代表する農水産品であり、消費者からも愛されている」として、こうした農水産品が将来「日台会館」で取り扱われ、日本の消費者に味わってもらえるよう期待を寄せた。