農業部の黄昭欽政務次長(=副大臣)は8日、台湾産龍虎ハタの流通状況を視察するため日本の福岡県を訪問した。黄次長はまず、福岡市内で台湾産龍虎ハタの対日輸出を宣言する記者会見を開き、「台湾最高級の龍虎ハタを日本の皆さんにお届けできて嬉しい」と述べた。その後、屏東県の周春米県長(=県知事)とともに、西日本鉄道株式会社(以下、西鉄とする)の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗り込み、社内でミシュランの星付きレストランのシェフが手掛けた龍虎ハタの料理を楽しんだ。
この記者会見は龍虎ハタを日本に輸入した西鉄と農業部が合同で主催したもので、黄次長のほか、西鉄の林田浩一社長、台北駐福岡経済文化弁事処の陳銘俊処長、台湾から龍虎ハタを輸出した栗煬国際有限公司の謝妮諺総経理、台湾優良農産品発展協会の張裕屏董事長らが出席した。
黄次長は、「龍虎ハタは、台湾で賓客をもてなす際に使用する高級魚であり、ホストのおもてなしの心が込められている。肉質は繊細で、口当たりも良く、国内外の市場で高い評価を得ている。日本の消費者にもこの味を楽しんでもらおうと、農業部は業界関係者、学者らが長年努力した結果、ついに日本政府は昨年10月30日、台湾で養殖された龍虎ハタの日本への輸入を解禁した」、「台湾で養殖された龍虎ハタの輸入が可能になったということは、台湾の水産養殖の供給網が評価されたことを意味するだけでなく、台湾と日本の農水産協力が新たな段階に入ったことの象徴でもある」などと語った。
記者会見後、一行は西鉄の観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」に乗り込み、車内で提供される龍虎ハタ料理を楽しんだ。西鉄では3月6日から6月1日までの期間限定メニューとして、ミシュランの星を獲得したシェフが手掛ける「台湾龍虎ハタと春野菜のパイ 柑橘のソース」を車内で提供している。
一行はさらに、西鉄グループ傘下のスーパーマーケット「レガネット」柳川店を視察し、8日に始まった「台湾龍虎ハタの野菜あんかけ弁当」と「台湾龍虎ハタ切り身」の販促キャンペーンと消費者の反応などを視察した。西鉄グループでは、傘下のスーパーマーケットである「にしてつストア」、「レガネット」、「スピナ」の合計28店舗で3月23日まで、台湾産龍虎ハタの弁当または切り身(またはその両方)の取り扱いを続けることになっている。
また、農業部の黄次長はこの日、台中市沙鹿区果菜運銷合作社の童育賢総経理と重光産業株式会社(味千ラーメン)の重光克昭社長によるMOU締結にも立ち会った。重光克昭社長は台湾出身(本名は劉壇祥)で、熊本県熊本市に本店を置くラーメン店チェーンを運営する。このMOUは、農業部農村発展及水土保持署が地方の農村で作られる良い商品を発掘し、マーケティングをサポートする台湾農村ブランド「農村好物」の商品の日本市場開拓に重光産業株式会社が協力するというもの。
黄次長によると、「農村好物」は2015年に立ち上げられたもので、今年で10年目を迎える。「農村好物」の認証を受けた商品は314業者、483点に上る。今回はその中から選ばれたレトルトパックのルーローハンの素など10点が、日本市場で販売されることになる。