アジア最大規模を誇る食品見本市「FOODEX JAPAN2025」が11日、東京ビッグサイトでスタートした。農業部は、台湾企業10社を率いて台湾の農・水・畜産品に特化したコーナーを設置している。11日には早速、冷凍食品の輸出入及びその販売を手掛ける日本の株式会社ティーケートレーディング(東京都大田区)と台湾のサツマイモ加工食品大手の瓜瓜園企業(台南市新化区)が、台湾産サツマイモを原料とする「サツマイモボール」(台湾華語では地瓜QQ球)の調達に関するMOUを締結した。締結式には農業部の黄昭欽政務次長(=副大臣)が立ち会った。
株式会社ティーケートレーディングの佐々木裕廸社長によると、日本でサツマイモというと秋から冬にかけて食べられるという季節性の食べ物のイメージが強い。しかし、3、4年前に初めて瓜瓜園企業と接触した際、台湾のコンビニには1年を通して焼き芋が販売されていることや、「サツマイモボール」という商品が台湾のナイトマーケットでは非常にポピュラーな商品であることなどを知り、台湾ではサツマイモを食べる文化が日本よりもはるかに成熟していると強く実感。それで台湾から「サツマイモボール」を輸入しようと決めたという。
佐々木社長によると、日本のプロ野球開幕後、全国にある7つの野球場で「サツマイモボール」を正式に販売する。その後も、コンビニ、スーパーマーケット、高速道路のサービスエリア等に販路を拡大するなどして、「サツマイモボール」を日本の新たな流行商品にしたい考えだ。
また、農業部の黄昭欽政務次長はこの日、京王百貨店新宿店で株式会社ドールが開催した「台湾パインフェア」にも足を運んだ。ドールの青木寛社長は、台湾産の金鑽(きんさん)パイナップルの品質を絶賛し、昨年(2024年)は台湾産パイナップルの人気が非常に高く、台湾から1,900トン輸入したと述べた。これは2023年の2倍以上で、今年(2025年)も引き続き輸入拡大を予定しているという。青木社長は同時に、今年は新たに台湾産バナナの輸入も始め、台湾の質の高いフルーツの販売を拡大する方針を明かした。
農業部によると、2021年3月に中国が台湾産パイナップルの禁輸措置を講じて以来、台湾は日本を含む高価格市場の開拓に力を入れてきた。その結果、昨年日本に輸出した台湾産パイナップルは1.9万トン以上で、(中国による禁輸前である)2020年の9倍近くに増えた。現在日本は、台湾産パイナップルにとって最大かつ重要な輸出市場となっている。