農業部の陳駿季部長(農相)は3月31日、世界的な農業研究機関で、野菜に特化した遺伝資源(種子)の保存に努める「亜蔬-世界野菜センター(The World Vegetable Center、WorldVeg)」の台湾本部(台南市善化区)で開催された更新後のジーンバンク(種子保管庫)の落成式に出席した。陳駿季部長は、この日が単なるイベントにとどまらず、未来への約束となると指摘した上で、同センターがその豊富な遺伝資源の収集と卓越した研究能力を活かして世界規模の気候変動に対応し、台湾と同センター、そして世界のパートナーの協力によって気候変動に強く持続可能な農業を作り、世界の食料安全保障を強化していくことを約束した。
国際非営利組織(NGO)の「亜蔬―世界野菜センター」は1971年に誕生した。本部を台湾南部の台南市善化区に置き、ジーンバンクを設置して、世界各国からの野菜の種子収集を開始した。現在は世界155か国から6万5,000種類以上の種子を収集し、世界最大の野菜のジーンバンクとなっている。また、保管する種子の情報はすべて一般公開している。種子の新鮮さと繁殖力を維持するため、同センターのジーンバンクは冷蔵設備と実験スペースを備え、マイナス20℃からプラス5℃までの温度調整が可能となっている。しかし、導入からすでに数十年が経過し、老朽化と空間不足が問題となっていた。このため農業部は昨年からジーンバンクの設備更新を支援。冷凍設備の収納空間を拡大したほか、エネルギー効率の向上にも配慮したところ、エネルギー効率30%以上の向上と、種子保管量の倍増を実現した。
農業部は、同センター台湾本部のジーンバンクを利用して、世界で最も完全な規模と言える緑豆の種子1万2,000個以上を所有しているほか、東南アジアを発祥とする野菜の種子3万5,000個以上などを所有している。近年、台湾は同センターと協力し、人類発祥の地と言われるアフリカから古代野菜の種子を収集し、これを台湾に持ち帰って保存している。これにより、台湾の農作物の育種のための種子収集を増やし、同センターのジーンバンクを世界の野菜のための現代版「ノアの箱舟」として構築し、各国と協力して気候変動や食料危機に立ち向かっていきたいと考えている。