2025/05/11

Taiwan Today

経済

農業部の胡忠一政務次長が日本を訪問、台湾産のコメやパイナップルの流通状況を視察

2025/04/28
台湾産のコメやパイナップルなどの対日輸出の現状とその潜在力について理解を深めるため、農業部の胡忠一政務次長(副大臣)が25日、北海道を訪れた。
台湾産のコメやパイナップルなどの対日輸出の現状とその潜在力について理解を深めるため、農業部の胡忠一政務次長(副大臣)が25日、北海道を訪れた。
 
日本は約10年前からインバウンド(訪日外国人誘致)の拡大と米食文化の輸出政策に力を入れ、その結果、コメの消費規模が増加傾向にある。しかし一方で、コメ価格の低迷は生産者の利益を圧迫。加えて生産者の高齢化による労働力や後継者不足の問題から、供給面の改善が難しく、コメの供給不足が徐々に拡大していた。これに追い打ちをかけるように昨年(2024年)は高温の影響でコメが不作となり、全国的に供給が需要を下回る状況が生じた。一方、日本は海外からのコメの輸入に厳しい保護政策を講じ、WTO(世界貿易機関)協定に基づき関税割当制度を採用している。つまり、海外からのコメの輸入に高い関税を課しており、これが日本国内の米不足問題解消を一層難しくしている。
 
日本に地理的に近く、また日本米に近い品種や品質のコメを生産できる台湾は、これを台湾米の対日輸出拡大の絶好の機会ととらえている。こうした中、台湾のコメの輸出業者である大倉米舖(新北市永和区)と、日本の食品輸入業者の北日本通商株式会社(北海道札幌市)、業務用食品卸売総合商社の日本栄養食品株式会社(北海道札幌市)、学校や施設などから団体給食の委託を受けている株式会社日総(北海道札幌市)が協力。台湾米を日本へ輸出し、日本の団体給食の食材として供給するモデルを確立した。
 
農業部の胡忠一政務次長はこの日、台湾の大倉米舖が輸入した台湾米「台南11号」を団体給食として採用している施設を視察した。大倉米舖の簡碩宏執行長(CEO)によると、台湾の主力の品種は日本の国産米に似ているだけでなく、台湾の生産や品質管理の方法もその他の国より優れている。このため、今回の日本での米不足と国産米の価格高騰は、台湾米にとって日本市場進出の絶好のチャンスだととらえている。同社は昨年(2024年)、少量の台湾産有機米を東京の百貨店に試験的に輸出し、好評を博したことから、今年(2025年)は北海道の北日本通商株式会社と協力し、日本の団体給食市場に進出することに。採用されたのは「台南11号」と名付けられた品種で、日本の学校、医療機関、高齢者施設などで団体給食として使用されている。また、今年5月にはスーパーでの流通も開始する予定だ。
 
業務用食品卸売総合商社である日本栄養食品株式会社営業部の中村好宏部長は、「日本の消費者はコメの食感に対する要求が高い。また、品質の良いものに対しては、それなりの対価を払う意欲がある。現在日本に輸入されている台湾米の品質を見る限り、日本市場でも高品質の商品と位置付けることができる。高い潜在力を持つ商品だ」と指摘。株式会社日総の小西敦司副社長も、「日本の消費者は食の安全を非常に重視している。団体給食の供給対象は学校や医療機関などが多いため、使用する食材の安全性が一般の消費者よりも高く求められる。現在使用している台湾米は食感も品質も問題なく、将来的には日本が要求する産地での品質管理や農薬基準などを適用する契約を結び、より日本の需要に合致したコメを供給してもらうことで、台湾米の対日輸出をさらに拡大していけたら」と述べた。
 
胡忠一政務次長はこの日、日本の株式会社ファーマインドと小売大手であるイオン北海道の招待を受け、イオン札幌発寒店にも足を運んだ。台湾産パイナップルの販促イベントに参加し、日本の消費者に甘くてジューシーな台湾産パイナップルを紹介した。
 

ランキング

新着