数位発展部(デジタル省)の黄彦男部長(デジタル大臣)は4日から6日まで、台湾の訪問団を率いて韓国(仁川)を訪問し、APECデジタルAI大臣会合(TELMIN11)に出席した。APEC参加国・地域(オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、ロシア、シンガポール、台湾、タイ、米国、ベトナム)が参加し、情報通信分野に係る政策の諸課題等について議論を行い、最後に閣僚声明を採択した。
閣僚声明は、AIの応用、デジタル・トランスフォーメーション(DX)、サイバーセキュリティでの協力、デジタル・インクルージョン、デジタルインフラの整備などについて焦点を当てたもので、安心、安全で確実性のあるデジタル・AIエコシステムの創出に向けた国際協力を呼びかけるものとなった。数位発展部はこの内容について、同部が掲げる「詐欺対策の強化」、「デジタルレジリエンスの強化」、「デジタル経済の発展」といった目標と高い一致性を見ることができると指摘している。
黄部長は、台湾が持つデジタルの実力をアピールする良い機会であるとし、「デジタルおよびAIの革新を通じた社会経済課題への対応」や「すべての人のデジタル・アクセシビリティの強化」などで実施する台湾の具体的な政策を紹介した。さらに、台湾のAIエコシステム構築において「イノベーションの促進」、「信頼と安全性」、「社会的公正」の三本柱が基盤となっているとして、透明性が高く、幅広いステークホルダー(関係者)が参加することの重要性を強調したところ、参加各国から高く評価された。
台湾の代表団はこの会合の開催期間中、他のAPEC加盟国のデジタル担当大臣や代表と積極的に意見交換を行い、AIの発展、情報通信の安全保障、デジタルレジリエンス、デジタル・イノベーションといった重要な課題について議論し、今後のさらなる協力につなげるための土台を築いた。それに加えて黄部長は、韓国と世界銀行が共催する「グローバル・デジタルおよびAIフォーラム」にも出席。各国の代表とともに、AIとデジタルの発展が今後直面する課題や国際協力の方向性などについて意見を交わした。