2025/05/16

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経済

「台湾国際らん展」開催、台湾らん産業の新世紀へ

2012/03/02
香りの高いコチョウランの品種。(行政院農業委員会の高雄区農業改良場サイトより)

台湾最大のらん展「台湾国際らん展」が3日から、台湾らん生物科学技術パーク(台南市後壁区烏樹里)で開催される。会期は12日までの10日間で、展示面積は約6,000坪、今年は「新世紀を迎えるらん」をテーマに、台湾のらん産業が新たな一ページを切り拓いたことを表現する。

台南市の頼清徳市長によると、今年の同展の特色は「まず地元のらんの美しさ、第二に現地が世界最大のらん産業の専用区域となっていること、最後に、現地のらん産業は文化クリエイティブ産業やハイエンド農業、観光と総合的に結びついたものであること」の3つが挙げられる。

2005年のスタートから第8回を迎えた同展の開催にあたり、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)は、中東や欧州、ドイツ、英国、オランダ、米国、日本、オーストリア、マレーシア、インドネシア、香港など海外11カ国・地域から輸入業者17社を招き、台湾の業者と223回の商談を予定している。

台湾のらん輸出は行政院農業委員会の後押しなどを受け、順調に伸びている。これに関し、栽培媒質を附帯する植物の輸出について、米国が2004年に、オーストラリアとニュージーランドが2011年に同意し、輸出競争力が大きく高まった。2011年の輸出額はコチョウランで1億米ドルと、前年から20%の大幅成長となっている。

以下、台湾で代表的ならんを6種に分け紹介する。

1. コチョウラン

コチョウランの学名はPhalaenopsis、花の形がひらひらと舞うチョウのようであることから、この名が付けられた。開花期が長く、色は上品で形は美しく、整然と整っていることから広く愛され、洋ランの女王とも呼ばれる。

2. オンシジューム

オンシジューム(学名Oncidium)は、花弁の形がレースのチュチュを着たバレリーナのようであることから、別名を「ダンシング・レディ・オーキッド」ともいう。花の色は黄色が多く、桃色や黄緑、ピンク、褐色模様などさまざまなものがある。主に日本を中心に切り花として輸出され、台湾の主要な輸出花卉となっている。

3. パフィオペディルム

袋状の唇弁が特徴的なランで、台湾ではスリッパのような形状から「拖鞋(スリッパ)蘭」、英語では「レディーズ・スリッパ(淑女のスリッパ)」と呼ばれることもある。

4. デンドロビウム

野生のデンドロビウム(セッコク=石斛)は木に着生する着生植物。インドから中国大陸、台湾、日本、マレーシア、フィリピン、タイ、オーストラリア、ニュージーランドなどアジア太平洋地域に分布する。適応力が極めて高いため、初心者の栽培にも適している。

5. シンビジューム(シュンラン属)

唇弁が船のような形であることから、ギリシア語の「船(シンビジューム)」が名前の由来となっている。原生地は東アジアを中心に、中国大陸、台湾、日本、韓国、フィリピン、オーストラリアなどに分布する。原産地の熱帯地域では花が大きく、香りは比較的少なく、コトウラン(虎頭ラン)などと呼ばれる。中国大陸の南部や台湾、日本、韓国などの亜熱帯~温帯地域では比較的小さく、繊細な姿で香りもあり、台湾では国蘭(蕙蘭)、日本では東洋ランの名を持つ。

6. カトレア

カトレアにはさまざまな品種があり、色もとりどりで、香り高いものも多い。株の大きさから、大型、中型、ミニの3種に分けられている。空間的な制約の多い現代人には中型とミニがますます好まれるようになっている。カトレアは色鮮やかで、優雅な姿から、洋ランの王とも呼ばれる。

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