おいしい台湾産のマンゴーを紹介する「第1回台南国際マンゴーフェスティバル」が6月29日から7月7日にかけ、台湾南部、台南市のマンゴー生産地、走馬瀬農場、玉井区、南化区で行われる。フェスティバルでは台湾在来種のマンゴーから、改良品種の台農2号、金煌マンゴー(キンコウマンゴー)、玉文マンゴー(ギョクブンマンゴー)など18種類の品種について、風味などを紹介する。
台湾のマンゴーの産地は台南市、屏東県、高雄市など南部に集中している。収穫は毎年5月から7月ごろが最盛期となる。
栽培される品種は、栽培環境や消費者の好みに合わせて変化してきた。主に在来種、外来の南洋種、改良種、新興種の4つに分類される。在来種マンゴーは「柴檨(土檨仔=福建省南部の閩南語で「地のマンゴー」の意味)」のみで、南洋種には懐特(ホワイト、象牙とも呼ばれる)や黒香(ヘイシャン)などがある。改良種には愛文マンゴー(アップルマンゴーまたはアーウィンマンゴー)、海頓(ヘイデン)、凱特(キーツ)、聖心(センセーション)などがあり、特に人気は愛文、次いで凱特となっている。このほか、国内で独自に育成された金煌、台農1号、そしてマンゴー農家が独自に改良した農民党(四季檨とも呼ばれる)、玉文6号、金興(キンシン)、玉林、慢愛文(慢アーウィン)、金文、紅凱特(レッドキーツ)、金蜜(キンミツ)、杉林1号(サンリン1号)、紅龍(コウリュウ)、文心、黒香、聖心、懐特など、台湾でよくみられる品種について紹介する。
土芒果(土マンゴー)と呼ばれる台湾の在来種は、豊かな香りがあり、若いものは情人果(まだ熟していない青い果実を砂糖で漬けたもの)として、熟したものは伝統的な手法で作るシロップ漬け「蜜餞」やドライフルーツ、スムージー、マンゴージュースに加工することができる。繊維は太く、果実は小ぶりながら、糖度は14.9Brixに達する。
愛文マンゴーの果実は赤く、表皮は鮮やかで、皮が薄く果肉は繊維がほとんどなく滑らか、ジューシーで甘みのうちに酸味、酸味のうちに甘みが感じられる。糖度は12~15Brixで、消費者に広く愛されている。
金煌は果実が極めて大きく、果肉はなめらかでほとんど繊維質はない。種子は平たくて薄く、糖度は17.4Brix程度。
凱特は台湾での収穫期が最も遅く、また最もよく生産される品種で、9~10月まで収穫できる。色の濃いハトロン紙の袋を果実にかぶせ熟させることで、表皮が美しい黄金色になる。糖度は13Brix程度。白い紙袋をかぶせた場合、表皮は濃い緑色を残し、糖度は15.9Brixほどになる。
玉林は甘みが最も強く、口当たりがよく、食べると独特の香りがあり、なめらかな繊維質が特徴である。糖度は20.1Brixで、表皮は緑色、成熟させると黄金色となり、消費者にも人気が高い。
金興は赤い表皮で色鮮やか、果実は1キログラム超と大変に大きい。果肉はきめ細かで劣化することもほとんどない。糖度は14.4Brix、評判がよく贈答品として喜ばれている。
紅凱特は果実が大きく、表皮が赤くて形は丸く、凱特によく似ているためにこう名付けられた。糖度は12Brixで繊維は粗め、農業当局が品種改良や新品種育成のために保存している品種である。
聖心は、ちょうど愛文に続いて収穫期を迎える品種で、表皮は赤く、果肉はオレンジ色、繊維は細く香りが濃厚である。
黒香は7月中旬から下旬以降に収穫期を迎える。表皮は濃い緑色で、リュウガン(ドラゴンアイ)のような独特の香りを持つ。果肉は濃い黄色で、繊維質は細く、口当たりがよく、糖度は15.6Brixほどである。
台農1号は卵型で、糖度は16~22Brixにも達する香り豊かな品種。果肉はやや固めで輸送に強く、水分が少ないため貯蔵にも適している。
玉文6号は、大きな果実に赤い表皮が鮮やかで、甘みも強く、果肉は滑らかでほとんど繊維質はない。香り高く、糖度は15.1Brix程度。
杉林1号は、表皮が赤く、形はやや平べったく、お尻がかぎ型に曲がっている。果実は固めのため、貯蔵と輸送にも強い。繊維質は細く、風味と香りが豊かで、口当たりもよく、糖度は16.2Brixに達する。