2025/04/25

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経済

躁うつ病のリチウム塩投与効果を予測する遺伝子発見、新薬開発に貢献も

2014/01/17
中央研究院生物医学研究所と精神科医師から成る研究チームはこのほど、華人の双極性Ⅰ型障害の患者に対するリチウム塩投与の効果を正確に予測する遺伝子を発見した。(中央研究院生物医学研究所サイトより)
中央研究院生物医学研究所と台湾の精神医療機関44カ所の精神科の医師によって結成された研究チームはこのほど、華人の双極性Ⅰ型障害(躁うつ病)の患者に対するリチウム塩投与の効果を正確に予測する遺伝子を発見した。この画期的な研究成果は今後、リチウム塩の薬効を正確に予測する選別キットの研究開発や、新薬の製剤設計と開発にも役立つことが期待される。研究成果は今月9日、世界で最もよく知られる国際医学誌「New England Journal of Medicine」で発表された。

この研究では、アジア系の双極性障害患者の体内のGADL1遺伝子には3つの遺伝子変異があり、これらがリチウム塩による予防的治療の効果を有効に予測できることを突き止めた。この3つの遺伝子変異は主にアジア系の血統にしか存在せず、ヨーロッパ系やアフリカ系の患者に見られることはまれなため、GADL1遺伝子のその他の変異がこれら患者のリチウム塩投与の薬効を予測することに有効であるかどうかは、更なる研究が必要。

双極性Ⅰ型障害は、統合失調感情障害の1種であり、主な特徴として、患者は繰り返し躁状態を発症し、一部ではうつ状態もみられるものである。この疾患が患者の生活や社会的役割に及ぼす影響は極めて大きく、自殺のリスクも高いため、患者の家族の暮らしの質にも大きく影響する。

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