この研究では、アジア系の双極性障害患者の体内のGADL1遺伝子には3つの遺伝子変異があり、これらがリチウム塩による予防的治療の効果を有効に予測できることを突き止めた。この3つの遺伝子変異は主にアジア系の血統にしか存在せず、ヨーロッパ系やアフリカ系の患者に見られることはまれなため、GADL1遺伝子のその他の変異がこれら患者のリチウム塩投与の薬効を予測することに有効であるかどうかは、更なる研究が必要。
双極性Ⅰ型障害は、統合失調感情障害の1種であり、主な特徴として、患者は繰り返し躁状態を発症し、一部ではうつ状態もみられるものである。この疾患が患者の生活や社会的役割に及ぼす影響は極めて大きく、自殺のリスクも高いため、患者の家族の暮らしの質にも大きく影響する。