台中フローラ世界博覧会(台湾中部・台中市)はあす3日、3つのエリア后里馬場森林園区、外埔永豊園区、豊原葫蘆墩公園で同時に開幕を迎える。会期は2019年4月24日までで、「生態系、自然との共生」をテーマにした后里馬場森林園区、「生産、グリーンの共有」に呼応した外埔永豊園区、「生活、人と文化の共栄」をうたった豊原葫蘆墩公園の3つのエリアに分かれ、会場の総面積は60.88ヘクタールに及ぶ。
台中フローラ世界博覧会の10の見所は下記のとおり。
一、発現館
后里園区のメイン展示エリア。永続的な循環型社会を再現し、建築材料にリサイクル品を使用して製造したプラスチック製レンガで、透かし彫りのように所々が垣間見える空間を作り上げた。河口から3,886メートルの雪山の頂上まで、大甲渓(台湾中部を流れる河川)のエコツーリズムを楽しんでいるような気分を味わえる。建物の温度設定により、参観者は河口の温暖な湿度や山林の冷たい空気を感じることができ、本当にその場にいるような臨場感を味わえる。
二、開花の音に耳をすませる
697個にも及ぶ開花の様子を表現した装置を使って、光と音を呼吸のように連動させている。参観者が作品のある室内に入ると、花びらが一斉に動き出し、まるで蜜蜂が花から花へ蜜を吸っているようだ。
三、国際庭園コンテスト展覧エリア
世界中から30の団体が出品、欧州エリア、米・中南米エリア、アフリカエリア、アジアエリアに分かれている。欧州の庭園のメインテーマは、生態系と環境にやさしい概念を伝えること。米・中南米、アフリカ、アジアの庭園では、多くの特色ある建築物に合わせた植物の景観が見られる。
四、 原生秘境庭園エリア
7つの展示エリアからなる。台中の先住民、タイヤル族の射日神話から生態系のバランスの均衡化の重要性を伝える。先住民族と天(持続可能な共生)、地(自然の流儀)、人(人文芸術)の実践を主軸として、先住民族の伝統工芸や創意に富む文化関係のデザイン及び音楽やダンスのパフォーマンスを紹介する。
五、花舞館
后里馬場園区の正門からすぐのところにある。花びらの形からインスピレーションを得た建物は、2棟の円形状の建物を結合して8の字のようにみせており、大小2つの円形展覧エリアとなっている。小さい円の方の「蘭花館」は温室設計になっており、長期的に蘭を展示できるようになっている。大きい円の方は「コンテスト館」で、花を使った様々なテーマに沿った芸術作品を展示している。
六、故宮花蝶館
歴史的な資料と科学技術を融合し、国立故宮博物院(台湾北部・台北市)で人気を誇る展示品「翠玉白菜(ヒスイの白菜)」、「翠玉小白菜」、宣教師の郎世寧(ジュゼッペ・カスティリオーネ/Giuseppe Castiglione)氏の絵画「百駿図」などを展示する。
七、楽農(ロハス農業)館
外埔園區にあり、樹木が群がり生えている外観の設計に、緑色を基調とした屋根を合わせたV字型の建物。立体的な植栽がビジュアル効果をもたらしている。台湾で重要な農産品、稲、果物、きのこ、茶葉をメインテーマに台湾農業の様々な物語を紹介する。
八、スマート農業館
「辜嚴倬雲植物保種中心(KBCC)」による展示。台湾で絶滅の危機に瀕する原生植物や科学技術の農業への応用などを紹介する。エリア内には、台湾で初めてとなる水底が見える遊歩道があり、参観者は水中を歩いているような体験ができ、水中生態系を垣間見ることができる。
九、綺想童話エリア
豊原葫蘆墩公園エリアには、「幸福な花嫁」をメインテーマにした瑠璃花園を設置。その中の綺想童話エリアは愛情や家族愛から発想を得て生まれた。苗から育てて、幾層にもなった花嫁のベールをデザインしたものは、台湾で初めて花を植えて表現したインスタレーション。
十、遊芸花源
豊原葫蘆墩公園第5ブロックにあり、4つの台湾の水による景観やランドアートを結合している。水面上のランドアート「浮花映月」は水中の生活を表現しており、「水源が万物を育む」という理念に呼応している。湖の中心部にある小島「波光莢影」は景色を観覧できるスペースになっている。島々の生命力や外部のものを受け入れる可能性を伝えている。