屏東県(台湾南部)で開催されている台湾ランタンフェスティバル(交通部観光局主催)は23日までに来場者が延べ300万人に達した。そのうち「芸術燈区」で展示されている作品『恒春風巣』、『屏安時光』、『竹田紀事』の3作品は、今年8月にデンマークのコペンハーゲンで開催されるイベントで展示されることが決まっている。
屏東県によると、この3作品は北欧出身の芸術家3名と、今回の台湾ランタンフェスティバルのメインビジュアルを手掛けた方序中(Joe Fan)さん、屏東県恒春半島を拠点に活躍する工芸家の楊宗熏さん、先住民族の工芸家である峇笠嵐偲旮札涅灆さん、王雅蘭さんなどが、この地域の文化や自然環境などにインスピレーションを得て制作した多国籍の芸術ランタン。
そのうち『恒春風巣』は楊宗熏さんとデンマークの芸術家によるコラボ作品。マメ科ネムノキ亜科のギンネム(銀合歓)の材木を組んで作った台座に、ガラス瓶3,000本で作った球体を乗せたもので、ガラス瓶の透光性を利用したランタンとなっている。故郷を離れた人たちの帰郷を歓迎するという気持ちを込め、ガラス瓶3,000本の一つ一つに地域住民のサインが書かれている。制作に参加した地元住民の一人は、作品に家族全員のサインが書かれていることから、「家族全員(の名前)がデンマークに行ける」と喜ぶ。
台湾ランタンフェスティバルの「芸術燈区」には、国内外の有名な芸術家、文学者、アーティスト・イン・レジデンスで創作活動を行っている工芸家などが、屏東という土地柄を利用した創作作品を設置。合計21組の作品はいずれも屏東県が内包する豊かな文化や歴史を物語っている。