台湾北部、台北市は柯文哲市長が推進する「友善穆斯林(ムスリム・フレンドリー)」政策に合わせ、このほど市内の台安医院と提携、イスラム教徒(ムスリム)の人々にやさしい医療体制の整備が進んでいる。
台北市はムスリム・フレンドリーなまちづくりに取り組み、イスラム教のラマダン(断食月)終了を祝う祭り、イド・アル=フィトルを催すほか、ハラール食レストランの推進、台北市都市交通システム(MRT)の東門、西門、忠孝復興、動物園、市政府の各駅トイレにおけるハンドシャワー設置などが行われている。
医療・衛生分野では市内の17病院と7診療所が「医療サービス国際化推進計画」に参加、2014年から2018年にかけ毎年マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、パキスタン、中東といったムスリムの多い地域の人々8,000人が台北市でサービスを受けている。
台湾にはムスリムの人々約30万人が居住し、潜在的な医療サービスの需要が見込まれる。こういった背景もあり台北市と台安医院との提携が実現した。同医院は世界的なハラール認証であるインドネシア・ウラマー評議会(LPPOM-MUI)の認証を取得、11項目の基準を満たし、ムスリムにとり保証された質のサービスを提供する。
健診センターには礼拝室や礼拝用じゅうたん、イスラム教の聖典「コーラン」、トイレのハンドシャワーなどを備え、飲食サービスでも200種を超えるハラールメニューを提供している。